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みなさん こんにちは。梅雨だというのに、雨、降りませんね。大丈夫だろうか? 農作物が心配です。
さて今回は、夏季研究集会のお知らせをしたいと思います。 「第35回 京都教育センター 夏季研究集会 8月27日(土)・28日(日)」 2日目(28日)の分科会で、当研究会は シンポジウム を行います。 テーマは『“地域”の持つ力、“地域”で育てているもの』です。
シンポジウムでは、3人の地域での子育てグループに関わっている方に、パネラーとしてお話を伺い、参加者の皆さんと一緒に、これらの活動の元気の源になっているもの、何がこれらの活動を支えているのか、などについて深めていきたいと考えています。 たくさんの人の参加をお待ちしています!! 連載コラム 身近な地域に光をあてて−−集い・学び・行動する市民の拠点として−− 築山 崇さん(京都教育センター 生活指導研・発達研) 憲法「改正」や教育基本法「改正」の主張には、国家や社会に対する「貢献」を説く論が目立ちます。国民に義務や責任を法律で課そうとする動きは、「乱れた社会を憂い、綱紀粛正をはかるのだ」という義憤を看板にした権力支配の強化への意志を感じます。この意志の背景に、経済のグローバル化(国際的な企業間競争)の波の中で、生き残り、一層の利益拡大を狙う財界の存在があることは言うまでもありません。 日本の民主主義国家としてのかたちをその根本から脅かそうとするこうした動きに対峙する力は、どこに見いだしたら良いのでしょうか。マスコミを通じた圧倒的な量の情報が、ともすれば真実を覆い隠してしまう、人間関係の希薄化や社会への能動的な関心の弱まり、経済的な格差が広がり、国民各層の連帯が困難になってきている、そのような状況にあって、今一度、身近な『地域』に目を向けてみたいと思います。 町内会、学区などの日常生活圏は、具体的で人の顔が見える世界です。旧くはピラミッド型の地縁組織、ボス支配、因習にとらわれた世界であったものが、近代化・都市化の過程で解体されて、個の自由が拡大したという積極面もあります。また今日でも旧い慣習が根強く残り、その旧さと人的つながりを利用した上からの地域支配の新たな展開も見られます。今日、地域は、この上からの支配の新たな展開と、様々な地域課題・生活課題の解決に自らが参加・行動していこうとする住民とのせめぎあいの場をなっているのです。 子育てや子どもの教育、年齢や障害などに関わらず誰もが安心して快適に暮らせるまちづくり、ゆたかな緑やきれいな川、野生生物、歴史的町並みなど、人びとの暮らしを支える環境を守っていくとりくみ・・・・こうしたとりくみを身近な地域から、住民一人一人の興味・関心・条件にあわせて多様に繰り広げていくことあg、一件迂遠なようで、いま最も求められている活動のあり方だと思います。新しい発見、出会いやふれあいのある活動は、楽しく元気がでるものです。 京都市内には、公民館もなく、住民の活動の拠点、住民と様々な専門家とをつあんぐ仕組みなど足りないものだらけですが、団地の集会所、児童館、自治会館、フリースクールなど人が集まり話を交わすことのできる場所を最大限に生かしながら、一つひとつ小さくても網の目のように活動を生み出しつないでいくことは出来るのではないでしょうか。 私は専門の社会教育の調査で、長野県をよく訪れます。長野県には活発な活動を進めている公民館がたくさんあります。近年継続して訪れている松本市には、29の地区公民館、370余りの町内公民館があり、それぞれに多彩な活動を繰り広げています。この10年は地区公民館と同じ単位で「地区福祉ひろば」と呼ばれる、「福祉の公民館」もつくられ、「町会福祉」という、最も身近な地域組織である町内会を生かした福祉の活動が進みつつあります。子どもたちが参加する体験学習のプログラムもあり、なかには1年間に渡り、古代人の生活を体験的に学ぶ「縄文探検隊」というユニークなとりくみもあります。 身近な地域で、様々な生活課題・地域課題について学び行動する中から、社会や政治のゆがみを見抜く鋭い視線も育ってきます。昨年3月の松本市長選挙では、多くの市民が疑問と批判を投げかけた豪華市民会館の建設を強行した現職市長が落選しました。新しい市長は、ロシアのチェルノブイリ原発事故の被害者の医療活動に献身してこられた方ですが、具体的な市政運営には未熟なところもあり、力量のある市民との間で厳しい議論が交わされているようです。自治体が民主主義の学校であるというのは、そのような関係をいうのだと思います。 京都にも、集い、学び、行動する市民の共同の営みの舞台としての地域をつくっていきたいと思います。 |
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