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新刊 発売中!

季刊「ひろば・京都の教育」第154号

(2008年 5月15日発売)


特集の趣旨

 中央教育審議会答申を受けて、2008年2月、文部科学省は学習指導要領改訂案を公表し、パブリック・コメントの実施を経て、3月には告示が予定されています。そこでは、「生きる力」についての理念の共有が強調される一方で、「基礎的・基本的な知識・技能の習得」「総合的な学習の時間削減」「小学校高学年の外国語活動」「理数教育の授業時間増加」「中学校における武道の必修化」などが、新しく盛り込まれています。「ゆとり教育」路線から「学力重視」路線への転換といったとらえ方でよいのでしょうか。学習指導要領改訂の本質をどうとらえるのかと合わせて、生きる力や学力形成をめぐって、私たちの実践の真価が問われているのではないでしょうか。

 その一方では、2007年度の学校基本調査によって、不登校児童生徒が再び増加に転じたことが明らかになりました。同様に、社会的ひきこもりの青年の増加は、学校教育の枠を越えて社会的な課題となっています。まさに、「生きる力」と「基礎的・基本的な知識・技能の習得」が課題になっているとも言えます。2008年2月には、「第3回社会的ひきこもり支援者全国実践交流会」が京都で開催されました。学校・家庭の取り組みだけではなく、福祉・医療機関、民間支援団体などとの連携のもとで、自立支援、社会参加をどのように図っていくかが論点となっています。今回の学習指導要領改訂は、不登校・ひきこもり問題の解決につながっていくのでしょうか。

 このような趣旨から、今回の特集を企画しました。

■特集1 新学習指導要領と学校教育−「生きる力」「基礎・基本」を問う

●総論 学習指導要領改訂の本質をどう読むか−「生きる力」と「基礎・基本」・・・・山崎雄介(群馬大学)

●各論 改訂学習指導要領と私たちの教育課題・・・・深澤 司(京田辺市立田辺東小学校)

●各論 「算数」の実践と改訂内容の検討・・・・東 辰也(宇治市立伊勢田小学校)

●各論 「理科」新学習指導要領の改訂内容の検討と実践課題・・・・平田庄三郎(元京都府・公立小学校)

●各論 指導要領改訂−−中学校の技術科からみた問題点と取り組み・・・・大石祐平(京都市・公立中学校)


■特集2 今日の不登校・ひきこもり問題−教育・福祉の連携と自立支援

●総論 若者と「ひきこもり−−ひきこもりを捉える視座と支援の方向性・・・・山本耕平(立命館大学)

●各論 中学校における不登校の特徴と取り組み・・・・平本喜美代(元京都府・公立中学校)

●各論 結びつくことができる保健室から考える高校生の不登校・・・・宇治さくら(京都府・公立高校養護教諭)

●各論 学校・家庭・地域をつなぐスクールソーシャルワーク・・・・磯田智子(大阪府スクールソーシャルワーカー)

●各論 地域におけるひきこもりの青年支援・・・・野中康寛(「麦の郷」紀の川・岩出生活支援センター・センター長)


■好評連載

●まんが「子どもが笑う府政」「後期高齢者の心身の特性」・・・・by monpei

●私と京都−−京都での体験・見聞も「めっちゃ」たくさん!・・・・アキラディ・ダミロラ(ナイジェリア出身・京都大学大学院情報学研究科修士課程在学)

●平和教育(16)−−学校日誌の掘り起こしと教材化・・・・田中 仁(京都府立北桑田高校・前福知山高校)

●教育・子育て ひろばるトーク

●早川幸生の京都歴史教材たまて箱(54)−−絵馬(えま) ――人々の願いと感謝をたずさえて・・・・早川幸生


●ひろば御意見番−−密室での修正とは何事か−−新学習指導要領告示のウラで−・・・・中西潔(京都教育センター)


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