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第6分科会

民主カウンセリング・ワークショップ
  〜生き生きとした温かい人間関係をつくるために〜

         芦田 幸子(民主カウンセリング研究会)



 私たちを取り巻く社会は、複雑に多様化し急激に変化しています。その中で子育てをしたり社会生活を営んだりするためには、理論的な学習だけではなく人間関係のあり方や自分の内面のバランスを保つことも重要になってきています。

 この分科会はあわただしい毎日の生活から少し離れ、ゆったりとした時間の流れの中で自由な話し合いの時間をすごしました。年齢や性別、職業や地位にとらわれない対話の中で自分の心の中に思いがけない発見をしたり、誠実に探求する方の姿から新しい生き方のヒントを得られたり、今までとは違った目で相手の見られるようになったり・・・本当に多くの自分や相手との出会いや発見があり、多くの体験ができた分科会でした。


◎まずは今、聞いてほしいこと・今の気持ち等

・不登校やひきこもりと関輪っている大変でどう援助したらいいか悩む日々。少しでも変化がみられたらうれしい。

・退職後に地域の中でいろいろと活動している。教育相談という看板を掲げて相談活動もしている。退職後12年たつがまだまだ教師がぬけない。

・仕事をやめて子育て真っ只中、毎日ばたばたと過ぎていくが社会から離れていて自分の目的をどこにおいたらいいのかわらなくなる。 社会とのつながりがないと日々前に進んでいくことがしんどい。

・初めての参加。自分の中に‘こうあらなければ‘と思ってしまうところがあるのでそれを払拭したと思って参加した。

・75歳になった。この年になると人生を総括の時期かな。

・この場にこられてうれしい。ほっとしている。 ・先日、娘が「映画に行こう」と誘ってくれた。自己主張をしない子がいろいろ話をしてくれてうれしい。

・みなさんと同じことで悩んでいると感じた。自分が生きていく上で確かなものを見つけたい。

・ 等など参加者全員が話しました。その中で話された親子の関係について質問と応答があり、自分の経験などを語られる中で深まっていきました。


◎親子の関係について

・子どもに「あんた聞いてへんやろ」と言われる。いつ話しかけてくるかわからずその子が帰ってきただけで身体まで緊張してしまう。自分の子なのになんでこう気を使うのか。話と言っても単語2つぐらいしか発しないので理解できず行き違いになってしまうこと多い。

・“育てにくい子”とは思わずに“育てがいのある子”と思うようにしている。

・この子のおかげで学ばせてもらっている。こういう会に来て自分が人の気持ちを聞こうとするように変わってきた。聞くことによって相手が変わることを知った。

・自分が聞いてもらわないと聞くことできない。吐かないと吸えない呼吸のようなものだと思う。

・長男は父親のぼくにすぐにつっかかってくる。一言一言が一発触発という感じ。その裏には何か要求があるのか。母親にぶつけたいことを父親にぶつけているのか。

・自分と子どもとの関係は親父と自分の関係と同じ気がする。

・上の子は下の子を「甘やかしすぎ」という。ぼくとしては下の子に対して“オールOK”していると思っている。上の子は上の子で“いいやないか”というスタンスでしている・・・・。

・親が思っていても伝わっていないことも多いのではないか。

・学級で「ひいきや」という子どもは自分を見てほしいという子ども。突っかかってくる子は自分のこと見てほしいのではないか。

・息子と父親、一緒に食事していても会話ほとんどない。突っかかってくることもないが会話もない。突っかかってこられてうらやましいと思う。

・自分が自分の親父とけんかしたことない。今の息子を見ていると“これはおれがやりたかったことだ”と思うことがある。 ・大きくなった子どもでも関わりを求めている。人間対人間として「どうしたらいいと思う」と相談したり、大人として話しあったりしてみたらどうか。

・20歳になれば大人。母親に子ども扱いされること嫌がる。大人として扱ってほしいと思っている。男の子は父親に認められることうれしい。 ・「親に向かって何!!くそー」と思う気持ちある。認めていないのかなあ。

・ぶつけていることに意味があるのではないか。受けてもらえる安心感があるからぶつけるのだろう。

・関わりたいが関わり方わからない子ども多い気がする。何を聞いても「ふつう」「きしょい」としか言わない。

・話しないと伝わらないことある。主人はいまだに主人の父親に抱いてもらったことがないという。「おれはいつもがまんしていた。抱いてほしかった。それを言わずにきた。いつかおれの気持ちを言ってやる」と話している。もう年とった父親に抱かれることはないだろう。その気持ちを持ち続けていることつらい。自分にあったやり方で伝えることが大事だと思う。月日が過ぎるとどう解決するのだろうと思う。そうなる前に伝えられたら・・・。

・自分の親父はもう死んでしまって伝えられない。時代のせいもあったが粗末に扱っていただいた。うらみがあるわけではない。自分がどう生きるかだ。

・ 私は長女で親と共に家を切り盛りしてきたと思っていたが、内観療法を受けて“好きにさせていただいた”と気づいた。同じことでも見方が変わったら気持ちが変わることもある。


◎ 子どもと自分の親との関係、夫婦の関係について(略)


◎ 感想文から

・初めて参加させていただいたのですが、一日がとても短く感じられて、自分の今いる立場が恵まれていることに改めて感謝するような次第です。子育てはもう子どもも二人とも成人し一段落したので、家庭の中では冷気の吹き込まない温かい人間関係を夫と共に築いていきたいと思いました。又、ボランティアをしているので少し気配り、心がけを大切にやっていきたいと感じました。とても充実した時間をありがとうございました。

・いろいろとお話を伺い、また聞いていただいて、なんだかいつも以上にさわやかな気持ちで帰路につける自分がいるなあ〜という感じで、とてもなんだか ハッピーな気分です。有意義なエンカウンターでとてもよかったです。

・夫婦のあり方についてお話を聞きながら振り返りをしていました。いい機会になったと思います。子どもが育つ中で抱える親の思いの深さについて(それが的を得ているのか、いないのかに関わらず)もずいぶんと考えさせられた思いです。今日一日に感謝を込めて。

・人には優しい自分でいたいと思った。それを意識することで相手も変わってくれると思う。いろいろな人間関係の話を聞かせていただいて学習になりました。とても楽しい会で心と身体が何だかとても温かくなりました。 ・夫婦、親子といった身近な人間関係についていろいろな思いが出されました。沈黙の時間がなかったほどお話が続きました。


 夫婦や親子の間で近い存在であるが故にかえって相手への感謝や優しさを表す言葉かけが失われています。「ありがとう」「ごくろうさん」・・・といった言葉をまずかけたいものと思いました。“自分がかわれば相手が変わる” ・少人数で全員がよく話しを出せてよかったと思う。親子関係というのは実に不思議で不可解なものだなと思いつつ、話を聞かせていただいた。何歳になっても人というものは自分を受け入れてほしい、甘えたいという欲求があるのだなと思う。それを特に親に対して求めるのだなあと!

 心が通い合った時のうれしさは生きる力となり、ずれてしまった時はうらみや寂しさになっていくがそんな感情を抱えつつ人は一生懸命生きているんだと感じた一日だった。

2008年3月
京都教育センター
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