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京都教育センター年報 第19号(2006年度) 第三部 京都教育センター 地方教育行政研究会 2006年度研究会活動の経過と概要 2007年度研究活動の方針 市川 哲(地方教育行政研究会) |
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2006年度研究会活動の経過と概要 1.本年度も京都教職員組合との「合同学習会」を旺盛に行った。これは、教職員組合員を対象にするだけではなく、広くインターネット等を通じて開催を知らせており、興味や関心に基づいて誰でも参加できる開かれた学習会である。 ◆ 第1回 1月27日 ●テーマ 「子どもや親の教育要求と自治体合併−京丹後市の場合−」 ●内 容 ・講演:『安心と共同の教育―子どもたちと未来のための提案―』(シリーズ京都府政研究2006、つむぎ出版、2005.12)について:市川 哲氏(研究会事務局) ・報告:「京丹後市の合併とその問題点」:松田成溪氏(京丹後市議) 「京丹後市の合併と教育予算」:山根 均氏(奥丹教組) ◆ 特別企画 2月20日 ●テーマ 「教職員評価に関わる日韓共同研究会」 ●内 容 韓国側;「韓国における教員評価制度の導入」:ユ・シン氏(全北大学法科大学校助教授) 日本側;「教職員評価制度(試行)の現状と課題」:我妻秀範氏(須知高校) 「京都府における『教職員評価制度』の概要とたたかい」:深澤 司氏(京教組教文部長) ◆ 第2回 5月13日 ●テーマ 「教職員評価制度」 ●内 容 講演:「教育の構造改革と教職員評価制度」:中田康彦氏(一橋大学) 報告:「京教組からの提起」:梶川 憲氏(京教組書記長) 各教組・職場からの報告:宇治久世、京田辺・三山木小、舞鶴、府高 ◆ 第3回 6月27日 ●テーマ 「格差社会と子ども・教育」 ●内 容 講演:「格差社会の中で広がる生活困窮の実態と課題」:高橋瞬作氏(京生連事務局長) 報告:「就学援助のとりくみ」:新婦人 「学校現場の状況」:宇治久世、八幡 「高校授業料減免と学力など高校の状況」:佐野幸良氏(府立校教組) 「“経済状況が子どもの就学に与える影響調査”結果の報告」:奥村久美子氏(研究会事務局) ◆ 特別研究会 7月8日 ●テーマ 「市町村合併と学校」 ●内 容 講演:「京都府内の市町村合併をめぐって」:山村 隆氏(京都自治労連委員長) 報告:「“合併調査”中間報告」:奥村久美子氏(研究会事務局) 「各市町からの報告」:京丹後市、与謝野町、福知山市)、京丹波町、南丹市 ◆ 第4回 7月22日 ●テーマ 「教育行政と自治体−教育行政の役割を考える」 ●内 容 講演:「教育基本法改悪案−国会での論戦−」:井上哲士氏(参議院議員) 問題提起:「教育改革の動向」:市川 哲氏(研究会事務局) 報告:「京都式少人数教育批判」:梶川 憲氏(京教組書記長) 「定数を中心とする府議会での論戦」本庄孝夫氏(府会議員) 「少人数学級実施校などからの報告」(乙訓、綾部、亀岡) 「宇治市小中一貫教育」(宇治久世) 「八幡の教育改革の動向」(綴喜) ◆ 第5回 9月16日 ●テーマ 「学力・学力テストを考える」 ●内 容 講演:「今日の教育改革と学力問題」:中嶋哲彦氏(名古屋大学大学院教授・ 犬山市教育委員) 問題提起:「学力・学力テストをめぐって」:東 辰也氏(宇治久世教組) 「 報告:「子どもたちの学力状況について」 国語(浅尾絋也氏)、算数(下田正義氏) ◆ 第6回 11月4日 ●テーマ 「免許更新制と養成・採用・養成」 ●内 容 講演:「教員免許更新制の問題点」:藤本敦夫氏(大阪音楽大学) 特別報告「『教員免許更新制』検討段階での問題点を検証する」(府職労教育支部) 2.今年度も活動の中心を共同学習会(第5期)に置いた。8回の学習会の概要は以下の通りである。 「平成の大合併」が地方財政や教育費、教職員の勤務、子どもの教育に及ぼす影響を、京丹後市や福知山市などを対象に検討した。国の進める「教育改革」の京都府におけるあらわれを、国や財界の教育政策や地域における具体的なあらわれをふまえて明らかにした。 「構造改革」と「教育改革」の矛盾が「格差社会」として現出しているが、京都でも教育費や生活費、学力に「格差」があらわれていることを示し、そのことを実態をふまえて議論した。教育基本法改悪案が国会に上程されるという情勢をふまえて、国会論議について国会議員より報告を受け、あわせて教育基本法改悪を先取りする京都における「教育改革」について明らかにした。 2007年度の全国「学力テスト」実施を前にして、「学力テスト」を実施しないことを決めた犬山市教育委員である中嶋教授の講演を受け、学力の実態と学力テストの問題点について学習した。「教育改革」の要として位置づけられる教員問題について、「免許更新制」と養成、研修について明らかにした。 今年の研究活動の特徴として、日本に先行して教員評価が実施されている韓国の研究者とのシンポジウム、交流をもてたことをあげることができる。 2006年度に開催した6回の合同学習会と特別企画と特別研究会、計8回の参加者は、9名から65名であり、平均で30名をこえ、テーマによってばらつきがあるが、共同学習会として着実に定着してきているといえる。 なお、8月5日に事務局の「自由な研究会」として、事務局メンバーがそれぞれの問題意識や研究課題について報告、交流する機会をもった。研究会を支える事務局自身が学習を基盤に高め合うことが重要であると考えている。 今年度、共同学習会の内容や調査活動、「教育改革」や教育運動に関する資料、論考を、京都教育センターのHPを利用して公開することをめざしたが、第3回研究会の講演要旨を http://www.kyoto-kyoiku.com/tihou/tihou060627/takahasi.htm として掲載できた。くわえて、第5回の問題提起「学力・学力テストをめぐって」を討議資料として発行することができた。 2007年度研究活動の方針 2007年度も「共同学習会」を、その第6期として継承、発展させる予定である。くわえてインターネットを活用した成果の公表をさらに強める。 内容的には教育基本法が改悪された状況の下で、学校や地域における新自由主義と「国家主義」のあらわれを分析し、それらに対する対抗軸を明らかにしていく取り組みを進める。 いわゆる「2007年問題」を運動の立場から主体的に課題としていく。具体的には「団塊の世代問題」や「青年教職員問題」、研修機会としてのサークル問題についても取り上げたい。また「京都市政研究会」とも連携し、「教育改革」をひた走る京都市の教育行政についてもメスを入れる予定である。 2006年度に端緒に着くことができた学習会や研究成果の公表をさらに進める。京都教育センターのHPを利用して「共同学習会」の内容や研究会による調査活動の報告、教育改革や教育運動に関する資料、会員を中心とする論考の掲載を行い、「WEB研究会誌」(仮称)の発行を目指す。 2002年度から会員への連絡をメールに一部切り替え、連絡事務の合理化をはかってきた。さらに必要な合理化を進めるとともに、新しい会員の獲得や研究会活動への参加に向けて努力したい。 3.研究会員と体制 代表者 室井 修(京都教育センター) 事務局 市川 哲(京都教育センター) 会員 (略) |
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