トップ ひろばもくじ

季刊「ひろば・京都の教育」第148号

(2006年11月1日発売)



  いのちに関わるような事件が多発する中で、文部科学省は「心の教育」を強調し、教育基本法「改正」案の中にも、愛国心を初めとした徳目が露骨に明記 されています。しかし、東京都で見られるように、いのちについて考えを深める性教育に関しては攻撃がかけられ、一方では、援助交際など性の商品化が進行している社会・文化状況があります。

 いのちの大切さを学ぶことは、いのちの喪失の悲しさと、いのちの誕生の喜びを学ぶことでもあり、これは同時に、誕生から喪失まで、かけがえのない人間 としてどのように生きるのか、主体的な生き方を子どもたちの中に育んでいくことでもあります。このような視点から、性と生を考える必要性はより高 まっているのではないでしょうか。

 他方では、主体的な生き方を育みながら、具体的にどのような形で、現実の社会とつながり自分の居場所を見つけていくのか。より早く具体的な目標を決めて、職業選択を迫るような進路指導の「早期教育」が進行する中で、中学校や高校における進路指導のあり方が、改めて問われているのではないでしょ うか。

 青年を取り巻く劣悪な労働条件に目を向けることなく、進学と職業選択 に特化した進路指導でいいのでしょうか。職業やそれ以外の「ひと・こと・もの」 とのつながりを含めて、子どもたちの社会的自立のプロセスをどのように支援 していけばいいのでしょうか。こうした趣旨から、今回の特集を企画しました。




■特集1 性と生を考える−−現代の社会文化といのちの教育

 ●総論 子どもたちがつながる性/死の学び・・・・金森俊朗(金沢市立西南部小学校)

 ●東京をはじめとした性教育攻撃をどうみるか−性を人権として向き合うために・・・・関口久志(千葉大学・都留文科大学講師/“人間と性”教育研究協議会代表幹事)

 ●小学生だって知りたい!おとなになるからだ・こころ・・・・丸山真由子(京都市・公立小学校養護教諭)

 ●すきま性教育のススメ−中学校の性教育・・・・新井保(京都市・公立中学校)

 ●高校生の活発な性行動が意味するもの・・・・山口高明(京都光華中学高等学校)


■特集2 中学生・高校生の進路選択・進路指導−−社会との出会い方

 ●総論 若者たちの生きづらさと希望−社会との出会い方・働き方−・・・・太田政男(大東文化大学)

 ●中学生の進路選択と進路指導−「小さな幸せ」をクラスで語り合いながら・・・・恩庄澄(京都府・公立中学校)

 ●親も子も、教師も悩む『十八の春』高校生の進路選択と進路指導−全日制・・・・水谷徳夫(京都府・公立高校)

 ●高校生の進路選択と進路指導−定時制・・・・町田鋭夫(京都・公立高校定時制)

 ●進路を切り開いていくために−自立に向かって・・・・鷹羽良男(フリースクール ほっとハウス代表)


■好評連載

 ●私と京都 わたしの好きな京都の道・・・・パウル・ショイアマン(コロンビア出身)

 ●平和教育I 今こそ平和教育輝くとき・・・・大野泰永(京都市・公立中学校)

 ●教育・子育て ひろばるトーク

 ●早川幸生の歴史教材たまて箱(48) 塀(へい)−自然やくらし、歴史を守りつづけて−・・・・早川 幸生

 ●まんが by Monpei 再チャレンジ」「美しい日本」

 ●ひろば御意見番 京都から発信しよう!−教基法「改正」法案反対の声を−・・・・深澤司(京教組)


「ひろば 京都の教育148号」お申込の方は、こちらをごらんください。
トップ ひろばもくじ