トップ 事務局 青年教師 教師と子ども

青年教師のための お助け「玉手箱」 3

「教師と子ども」実践「玉手箱」
17

「HR教室をテーマパークに!!」 〜もっと楽しいホームルームを求めて〜

     京都市立塔南高等学校 木下 淳史

(2009年5月10日)



 TDLやUSlに行ったときのあの感覚を、HR教室で味わえないか、それがこの実践の出発点。HR教室がテーマパークなら、毎日楽しくてたまら ないだろうな、そのためにとにかく自分が楽しむためにいろんなことをやっ てみようというのが私の担任のやり方。もっと楽しいHRを求めてこの3年間も突っ走ってきましたが、その3年間の学級集団づくりのうち、一年四組の一年間を振り返ってみます。

クラス開きは十分な準備を!

 入学式までに私がやっておくことはたくさんありますが、重要なことは学級通信の作成です。 私は一年の通信タイトルは「翼をください」と決めていて、週刊でLHRの日に発行することを原則としています。内容は前回のLHRで決定した事例の報告や本日のLHRでの実施内容などです。また学級日誌の準備も私のHRでは 重要で、日直は一日二人制、HR教室に学級日誌箱を設置して、生徒たちが自由に学級日誌を 閲覧できるようにしています。

 入学式当日には、ビデオ撮影付き名簿の確認 をしましたが生徒たちはとても驚いていたようです。また入学式の次の日には、担任とのツー ショット写真付き自己紹介カードの作成もおこないました。これは作成後すぐに教室後方に掲示して、一年間の学級集団づくりの基本単位とする班づくりに利用します。そして、「班づくりに挑戦!!」です。私は班を掃除、座席、行事 そしてHR役員の基本グループと位置づけ、H R役員も一つの委員に一つの班を割り当て協力させる形式をとります。こうしたことを四月当初におこない、少しでも早く生徒たちにとってHR教室が居心地のよい場所になるように心がけます。

前期は学校行事が目白押し!

 前期の九月までは、学校行事が目白押しです。 どの行事もさらに楽しむために工夫を凝らします。クラス遠足では、「BISTRO KINOPPI」 と名付けた野外炊飯の班別対抗コンテストと、「勝負服コンテスト」と名付けた遠足のときのみ許可される私服で競い合うコンテストを企画し、前日には遠足下見ビデオも上映します。終了後は、それぞれの表彰パーティーと遠足のビデオ上映で楽しみます。

 球技大会や体育祭では、「めざそう!優勝!」 を合言葉に、一週間前から昼休み練習を開始します。そして終了後は、必ず優勝祝賀パーティーを実施します。残念パーティーになる時もあるわけですが、それでも終了後に見るビデオ上映ではみんな笑顔になれます。

 文化祭では各自が楽しいと思う活動をするということを重視して、いくつもの企画に取り組みます。結局、展示で女子中心の「ちぎり絵セサミストリート」を製作し、男子中心で「カジノ風ゲームセンター」を実施しました。

後期はクラス独自の行事でエ夫を!

 十月からの後期に入ると、学校行事は少なくなりますが、クラス独自の行事を多く企画し楽 しみます。前期にも五月のこどもの日パーティ ー、七月の七夕パーティーを実施しましたが、 後期には十二月のクリスマスパーティー、一月 の班対抗百人一首大会、二月の節分パーティー、 バレンタインパーティー、三月のひなパーティーを実施しました。そして後期最大のイベントが一年四組独自秋の遠足で、十一月の極力クラブの練習の少ない土曜日にみんなでUSJへ行 きました。

  一年間の学級活動のまとめが、三月のサヨナラ特別企画「ありがとう!!一年四組」と名付けたイベントです。これは「クラスMVP投票」、 「クラス寄せ書き」、「最終クラス写真」の三本柱からなる企画で、特に「クラスMVP投票」 は、一年間にクラスで最も活躍したメンバーを投票で選び、表彰しました。

 後期終業式に実施した、この「一年四組MV P」表彰式兼サヨナラパーティーでは、「一年 四組MVP」の表彰と賞品 (「寄せ書き」の原本と一年間に獲得した賞状)授与の後、一人づつ進級記念品(「寄せ書き」カラーコピーと「担任とのツーショット写真付き自己紹介カード」、 「DVD二〇〇六年度一年四組全記録」)を渡 して、握手でサヨナラしました。

最後に〜三月二日の卒業式を迎えて〜

 二〇〇九年三月二日、私とともに一年間歩んだ旧一年四組の生徒たちが卒業式を迎えました。卒業式の後、一年の時のHR教室に生徒たちを集合させ、卒業祝賀パーティーを開きました。入学式のときのビデオ映像を見てみんなで 笑いあいながら、一年四組の一年間の 「翼をください」をまとめた小冊子を配布し、私は感動 のひとときを味わいました。

(この実践の詳細は季刊誌「ひろば」五月号に 掲載されています)

 
トップ 事務局 青年教師 教師と子ども