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青年教師のための お助け「玉手箱」 3

「教師と子ども」実践「玉手箱」
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「どの子も伸びる」「できない子はいない」

     名もなく貧しく心美しい年よりたちの語らいの会 藤原 ひろ子

(2008年12月10日)



 50年も昔に、衣笠小学校で担任した黒光茂明さんのお母さんから、ひょこんと郵便物が届きました。それは、鯵坂真著『時代をひらく哲学』の書。8年前 のできごとです。

 鯵坂先生は1999年大阪府知事選挙の候補者。世直しボランティアで活動す る多くの青年たち、団体、個人、数えきれない皆さんと力を合わせ、輝く闘いの中で完成なさったのがこの本です。

 先生は、新しい世紀を展望しうるものは、科学的社会主義の思想以外にないという事が明確になってきている。何が理論的に正しいのかを見抜く力を私たちは強めていく必要がありましょう。と記しておられます。私、ただいま82才。 すべて職務は終了。さて残る人生をどう生きるかを考えていた矢先の頂き物でした。「あ!これだ!!」 と飛びついて退職者やお知合いに呼びかけ、「名もなく貧しく心美しい年よりたちの語らいの会」が誕生。今まる7年を越しました。

 現在、「会」の実行委員31名。平均年令74才、最高令者は91才の 丹後の堀江さん。

 人間70年、80年も経てくると、もう昔の肩書は一切無用。どなたさんとも 「さん」づけでおつき合い。在日朝鮮人の李福順さんも副会長。国籍や職業、男女の別、貧富の別などありません。但し、顔には責任はもちません。併し、嘘、 詐りはなく、心は美しいです。

 「年よりたちの語らいの会」とは−−。年よりはひとりぽっちじやない。 年よりたちと複数です。大切なのは“ 語らいかた”

 子ども達や若者に「ダサイなあ。もうそれ何べんも聞いたわ」 と敬遠されない話し方の勉強が必要です。

(1)導入は、優しくわかりやすく。

(2)なぜそうなったのか。

(3)今後 どうすべきか。

 これを制限時間を守って話す。途中で脱線し、果てしなく止まらないのは禁物。

 戦争体験を積極的に語る努力と、「会」 は参加者の全員発言を心がけ、「遠慮は無用。配慮は必要」をモットーにして います。 −−私はいつも思います。京教組で教えられ、鍛えられ「できない子はいない」 「どの子も伸びる」と民主教育ひと筋の闘いを経たからこそ今、「できない年よりはいない」「どの年よりも伸びる」 と確信が持てるのだ・・・と。

 更にこの大もとは京都教育センター三原則です。

@全面発達・・・・人間の能力・人格のすべての側面で全面発達をめざす。
A科学的認識・・・・自然・社会・人間について正しい認識をもち、労働や生産の大切さをよく身につけ、それらを人間の幸福のために役立てる力。
B集団主義・・・・「ひ とりはみんなのために、みんなはひとりのために」真理・真実をつらぬき問題をみんなで考え行動していく力。

 いつもこれが私を深く静かに支えてくれているからこそ継続があると確信 します。

 民主教育の三原則は京教組の宝。日本の目ざすべき道です。教研集会で、職場、地域、サークルで、父母と教師 が対等平等の立場で討論し、実践を重ね、更なる発展を心から期待いたします。

 教育労働者の三つの任務は、 @労働者として生活を守り豊かにすること A教師として教育研究という仕事を守り育て創造すること B知識人として国民 に宣伝し組織し、その中核となってたたかうこと。

 物言えぬ社会は、戦争へ向かう社会です。日々大変な状況にめげず精いっぱいふんばっておられる組合員の皆さん。退職した私どもはもうクビにはなりません。どうかどうか二の足を踏むようなことは、率直に注文をつけ私達を大いに利用して実現可能を目ざしてください。子ども達と直接触れあって仕事をなさっている皆さんと、仲好しにな れるよう待っていますよ。

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