トップ 事務局 青年教師 教師と子ども

青年教師のための お助け「玉手箱」 3

「教師と子ども」実践「玉手箱」


子どもたちを「自分のからだや生活の主体者」に

      福知山市立三和中学校 関口てるみ


(2007年5月10日)


  一年前、八年間の小学校勤務の後、中学校に異動しました。その小学校の前に中学校に勤務していましたが、三年間という短い期間であったため、「やり残した感」が強く、養護教諭として思春期の子どもと達と向き合いたいという思いを持っての中学校異動でした。

 私は、小学校でも中学校でも、子どもたちには「自分のからだや生活の主体者になってほしい」と願って、実践をしています。特に大切にしてきた健康学習・性教育。体やいのちの不思議に触れたときの子どもたちのおどろきと感動の表情が大好きです。そんな思いを積み重ねることによって、子どもたち自身が自分のからだやこころからの声を聞き、自分のからだやこころを見つめ、自分を大切にできると思っています。

 中学校では、健康学習・性教育の時間は年間四〜五時間しかありませんが、保健室に来た子どもたちとの会話の中で性に関わる話題がよく出て、ミニ性教育を展開しています。こんな時は、子どもたちの本音がよく出ていておもしろいです。(中略)性情報が氾濫する中、子どもたちは知っているようで曖昧な知識が多く、ゆがんだ性情報を植え付けられていると感じることが多いです。だからこそ、さまざまな場面で、正しい知識やゆたかな関係性を築くことの大切さを語っています。

 もう一つ大切にしてきたことは、子どもの話をていねいにじっくり聴くこと。本校は、生徒指導上の課題も少なく、行事や部活動に意欲的に取り組む、とても落ち着いた学校ですが、一人一人の子どもたちをていねいに見ていくと、課題がないわけではありません。保育所の時代からほぼ固定した人間関係の中で、お互いの顔色を伺いながら、思ったことが言えずに周りに合わせて行動している傾向があります。友達関係で傷ついて、居場所を見つけることができない子どももいます。話を聴こうとしても自分の思いを語れない子も多いです。そんな子どもたちの言葉にできない思いを受け止めたいと思っています。

 とはいえ、なかなか思うような実践もできず迷いの多い毎日。そんな時、保健室で休養していた子どもが「先生って、中途半端やなぁ」「だって、先生(保健の先生)は、勉強を教えるわけでもないし、お医者さんでもないし。でも、学校っていつも元気な人ばかりやないから、話を聴いてくれたり、病院へ行くまでの手当をしてくれたり、そんな人が学校にはいるんやなぁ」と言いました。養護教諭の役割を見事に言い当ててくれたようで、とっても嬉しくなりました。

 こんな言葉に励まされながら、これからも、子どもたちが「自分のからだや生活の主体者」になるためのサポーターでありたいと思っています。

トップ 事務局 青年教師 教師と子ども