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青年教師のための お助け「玉手箱」 3

「教師と子ども」実践「玉手箱」


子どもたちと歩み続ける教師でありたい

      京都市立光徳小学校  堀 信子


(2007年2月10日)


高学年が学校を動かす

 教師生活30年(2年間教職員組合の専従をしていたので、実質は28年)。そのうちの三分の一が6年生の担任です。

 高学年を多く担任して思うことは、高学年の子どもたちが落ちついていると、不思議と学校は安定してくるということです。

 5年生になると高学年の自覚を、6年生になると最高学年の自覚を促します。そして、全校の手本になろうと訴えます。

 幸い私が勤務した学校では、たてわり活動をしており、全校のリーダーとして活躍できる場があります。子どもたちはたくさんの行事を取り組みながら、力を合わせてやりとげた時の喜びと同時に責任を果たすことの難しさを知ります。でも、みんなに喜んでもらえた時のうれしさも感じます。つまり、異年齢集団の最高学年の子どもたちは、自分が楽しむというより、他学年の子どもたちが楽しんでくれているのを喜ぶという楽しみ方をするんです。これがスムーズに機能すれば、学校が家族的になり居心地の良い空間になると思っています。


学校は生き方を見つけるところ

 どこの学校でも、教室の黒板の両脇は掲示板になっています。子どもたちの決意や係活動などを掲示したり、「声のものさし」「発表の方法」など授業をうまく進めていくための決まりを掲示したりしていると思います。でも、私は違います。私にとってこの場所は自分のおもいを伝えるところです。

 「自分のことばで」という小森香子さんの詩や「詞集たいまつ」というむのたけじさんお本の中から選んだ言葉を掲示したりしています。サブリミナル効果を狙っています。どれだけ効果があるかは分かりませんが、子どもたちの子どもたちの心にその言葉が残れば嬉しいなと思っています。

 自分のおもいを伝える場として、掲示板以外に学級通信もあります。教師になってからずっと書き続けてきました。教師になりたてのころは全部手書きでしたが、この頃は縮小コピーの活用で大変楽になりました。記事に関連づけて、相田みつをさんの詩を入れたりして生き方を問うようなことを投げかけています。


みんなで決めて、みんなで守る

 学級の基本は「みんなで決めて、みんなで守る」です。ちょっとしんどい目標を決めてやりとげたら楽しいことを一時間することにしています。お楽しみ会はしません。みんなでやりたいことは掲示します。心一つに高まっていることを意識化するのです。

 「人はいくつになっても発展途上人」「意義ある人生は絶えず未知への挑戦につらぬかれている」。先達よりお聞きしたこの言葉を自分自身に投げかけながら、子どもたちとともに歩み続ける教師でありたいと思っています。

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