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青年教師のための お助け「玉手箱」 2
「「教科指導」実践「玉手箱」
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「子どもの貧困」と綴り方実践
京都市立梅津北小学校 得丸 浩一
(2008年11月10日)
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なおとがこんな日記を書いてきました。
プレゼント
七月五日のたんじょう日プレゼントをお父さんに買ってもらうつもりだったけど、お父さんがパチンコをして、お金がなくなって、プレゼントを買ってもらえなくて、少しざんねんでした。
刑務所から出てきた父親はほんの短い期間だけ家にいたようですが、すぐに別の女性と暮らしはじめました。
なおとはこんな日記も書いています。
ぼくの家はみんなお金がなくて、業務スーパーで安い物を買ってくるので、ときどきまずいこともあります。
五月の連休明けに作文を書きました。まゆみの作文を一部だけ読みます。
わたしは、きのう弟と一緒におるすばんをしていました。ママに七百四十三円もらって、弟とフレンドマートに行った後、京都ファミリーに行きました。歩いて行きました。
いろいろファミリーでかいました。最後に、ダックテールで、スポンジボブの消しゴムを弟にかってあげました。本当は自分のがほしかったけど、弟が前からスポンジボブの何かがほしいと言っていたので、かってあげました。
ダックテールでかい物が終わって、三Fの本屋さんで本を見ていると、弟がかったばかりのけしごむをなくしたので、十五分くらいさがしていました。でもみつからなかったので、あきらめて家に帰りました。
この作文の題は「楽しいことがいっぱいあった」です。連休に家族で出かけたことを書く子が多い中で、私はまゆみの作文にさびしさを感じました。
まゆみの家は母子家庭です。飲食店で仕事をする母親は連休に休めなかったのでしょう。作文はこう結ばれています。
(またいつかこんな楽しい日があったらいいな あ。)
と思います。
六年生のあかねはこんな日記を書いてきました。最初に「一枚文集に載せるな」というこんな但し書きがありました。
(のせたら困る、ってか、おこられそう。お母 さんに・・・)
友達の家でお酒を飲むお母さん
私のお母さんは、友達の家に行くと、お酒をいっぱい飲んですぐによっぱらう。
自分で、 「今日は早よ帰るで」
っとか言うくせに、結局お母さんのせいで、帰るのが夜の十二時過ぎとか・・・。
何でおそくなるのかと言うと、お母さんのしゃべりがすごく長くなるから。
「お菓子買ってきていいから、お酒買ってきて」
とか、いろいろ言われるし、ハッキリ言ってつかれる・・・。
私が何度も、 「早く帰ろう。明日学校やし」
って言っても、 「うん、分かった。分かった」
とか言いながら、帰らへんし、私はさきに帰ったりする。
もう少し、お酒の量をへらしてほしいと思ってる。
あかねのところは三月に両親が離婚。「男は全部ダメ」なので、もちろん私なんか真っ先に拒否されていました。
「子どもと貧困」が新しい視点として登場しています。現場感覚としては別に新しいことはないのですが。でも、今、ここを切り口にして子どもと教育を語ることに大きな意味があるように思うのです。
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