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青年教師のための お助け「玉手箱」 2

「「教科指導」実践「玉手箱」
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教育のつどい(国語教育)で学んだこと

      宇治市立南小倉小学校 市田 康直


(2008年9月10日)




1.共感できる仲間が全国にいっぱいいるんだ

 大阪の若い仲間は、綴り方のレポート報告の中で、次のように語っています。

 「学級通信を書く(綴る)時間は、私にとって忙しい日々の中で、やさしいゆったりとした気持ちになれる時間です。そして、子どもたちの作文や日記を載せた学級通信を読み合う時間は、私が何よりも元気をもらっています。」

 「『子どもがかわいいと思えたらこの仕事やっていける。』これは、サークルの先輩から教えていただいた言葉です。」

 国語の分科会に京都からレポート参加して、本当に良かったと思いました。私の学校にも、子どもに生活を綴らせながら、自分を見つめたり、仲間とつながったりしていく実践を展開している教師がいます。そして、綴ることと読み合うことを大切にして、温かい学級を作っている仲間のことを思い出しました。

 私も子どもの綴り方を読むとき、学級のみんなと読み合うとき、とても幸せな気分になります。その子自身をまるごと受け止めようと思える瞬間に出会います。読み終わったときに流れるやさしい笑顔がたまらなく好きです。


2.三年生の子どもたちと「木かげにごろり」を読む

 私のレポートは、朝鮮の民話「木かげにごろり」を実践したときの報告でした。

 民話の持つ、語り口のよさ、筋立てのわかりやすさ、繰り返しのおもしろさを子どもたちと大いに楽しみました。音読することが楽しくて、「こりゃあ、だれのゆるしをえてわしの門の前でねておる。」と地主がやれば、「地主様、木かげがどこまでのびているか、しっかり見てくだされ。木かげはまちがいなく私たちが買ったものでございます。」と百姓が返す。学級は、楽しい笑い声でいっぱいでした。一時は、「こりゃあ」が合い言葉になるくらいでした。

 そして、学び終わった子どもたちから、「本が好きになった。」「読書が好きになった。」「このお話しが大好きでした。」といううれしい感想をいっぱいもらいました。

 このレポートについて、共同研究者の先生から次のようなまとめをいただきました。

 『朝鮮の民話という特質をいかして、語り聞かせを大事にし、読みを大事に取り組んだ点が成功している。民話には民衆の願いが描かれているので、民話独自の世界を体験させることで「人間をどう見るのか」「人間認識のあり方」を子どもにつかませたい。その意味では、「ごろり」と「ごろりん」のことばのちがいを丁寧に読み、形象を豊かに読むことで百姓の意志まで見えてくる迫り方がとても良いなあと思います。また、それを受け止める集団に関して、全盲児童や友だちの少ない児童を学級通信や綴り方の中で、きちんと学級の中に位置づけ、安心していられる居場所作りを作り出している点も学ぶことがあった。』と、過分な評価をいただきました。


3.これからも学び続けたい

 「改訂学習指導要領」では、国語科で「愛国心の押しつけ」を進めようとしていること、また「昔話や神話・伝承などの読み聞かせ」と「童話」が「神話・伝承」にすりかえられることを聞きました。そのことからも、民衆の側にたった「民話」もふくめ、昔話や童話を本当に大事に子どもたちと読み合っていかなくてはならないと強く思います。全国教研から学んだことを生かして、これからも多くの仲間と共に、学び続けたいと思います。

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