トップ 事務局 青年教師 教科指導

青年教師のための お助け「玉手箱」 2

「「教科指導」実践「玉手箱」
21


フラッグフットボールの授業

      宇治市立 平盛小学校  福川 斉


(2008年5月10日)



 現指導要領では、体育は、105時間から90時間に削減されました。そして、新指導要領では、「子ども達の体力の低下」(曖昧な根拠)ということで、低中学年は、105時間に復活、高学年は90時間のままです。

 数ある教材から、何を子ども達に学ばさせるのか、どんな力をつけるのかを吟味し、その学年の一年間の、その小学校の六年間の教育課程を考えることが大切になってきました。

 そこで、私はボール運動の大切な教材にフラッグフットボールを選び、体育で教える重要な教科内容「作戦を考え実行する」(戦術・戦略)を教えたいと思っています。


(1)フラッグフットボールはどんな教材

 アメリカンフットボールを安全にしたゲーム。タックルの代わりに、腰につけたタオル(フラッグ)をとる。自分の陣地から、ボールをもって、タオルをとられないで相手の陣地に入る(タッチダウン)。点数を競うゲーム。

*オフィシャルのルール(大会用)もありますが、学校の環境、子ども達の実態でルールを変えることもできます。ラグビーと似ていますが、中身は全然ちがいます。むしろ、同じアメリカ型のスポーツ、ベースボール(野球)で理解するとよく分かります。


(2)教材としての価値

@下手な子も活躍できる。

・ボール操作がバスケ・サッカーに比べ、簡単 (投げる・うける・持って走る)。
・攻防が入り乱れるバスケ・サッカーでは、下手な子は、「今、何をするか」で混乱を起こすが、攻守がはっきりしているので、自分が「今、何をするか」がわかりやすい。
・フラッグをやった経験のある子がほとんどなく、サッカーや野球のよう少年団などでやっている子とそうでない子の差があまりなく、 スタートラインが同じ。

A教える中身がたくさんある。

・空間認識を育てることができる。(他のボール ゲームに生きる) ・作戦を立てたり、作戦の成功 ・失敗の原因を考えやすい。
・いろいろな役割がわかる。(ガード、クォータ バック、ランニングバック・審判)

*ただし、注意も必要です。手だてを何も打たなく実践すれば、分相応主義の「機能分担」に陥ります。小学校では、役割を固定せず、ローテーション制でいいと思います。

 中学校でも、まず、ローテーション制を経験してから、分担するといいと思います。


【授業の感想】

・作戦は失敗した。(自分のペア)でも、得点はした。それで作戦が成功したのは(自分のチーム)、二〜三回ぐらいだった。二四対二七で負けてしまった。タッチダウンも三回したし、まけたけどそれほどショックじゃなかった。あと、ランプレーのほうが成功した。(5年女子)
・今日は、オープン戦だった。Kチームとやった。二四対二七で負けた。でも、まあまあ作戦通りで、六点(タッチダウン)とれた。やはり、 ラン作戦の方がいい。(5年男子)

 得意な子も苦手な子も活躍できるフラッグフットボールの授業をあなたもやりませんか。

 (詳しい問い合わせは、教育センターを通じて福川まで連絡ください。)

トップ 事務局 青年教師 教科指導