トップ 事務局 青年教師 教科指導

青年教師のための お助け「玉手箱」 2

「「教科指導」実践「玉手箱」
16


自然を子どもと一緒に楽しみながら


      城陽市立富野小学校 片岡 真治


(2007年12月10日)



身近な自然を教室に持ち込んで

 低学年の時期だからこそ多様な自然のおもしろさ・不思議さ・巧みさを五感を通して豊かにとらえることは、感性を育て、確かな認識力を育てるもとになります。それは、自然の事物にとどまらず、人や社会の見方や関わり方も含め発達の土台を広く豊かに構築していくことにつながります。一年生を担任したときは、入学式当日から草花や生き物を教室へ持ってくることを保護者にもお願いしています。

 一学期には、親子で摘んだという草花やイモリやメダカ・ザリガニ・カブトエビ・カマキリ・ダンゴムシ・アゲハチョウの幼虫など様々な生き物が持ち込まれ、全員でさわったりえさをやったり、においを嗅いだり、食草を味わったりするとともに、絵や言葉、詩などで記録することができました。

 卵から孵ったばかりの透き通った小さなメダカを見た子どもたちは、時間の経つのも忘れ見入りました。みんなの一言を集めて詩ができました。みんなで読み合って暗唱するとおもしろくなって次々に詩が生まれました。


食べることと結んで

 春は、ヨモギを摘みヨモギ団子を、秋は収穫したサツマイモを使ってスイートポテトをみんなで作って食べます。お家へのおみやげにも大事に持って帰ります。お家でも家族と一緒に調理することが増えてきます。「サラダで元気」という国語の教材を学習したときも「元気サラダをつくったよ。」という子が数名いました。食べるものと言えば、イタドリ、ノビル、シイノミ、ムカゴ、学校にあるザクロ、カキ、何でも食べます。十一月には干し柿を作りました。渋柿を味わい「渋い」味を経験します。皮をむき、ひもを結んでつるして干すだけですが一年生にとっては難しい子もいます。でも、できあがると喜び勇んで干しに行きます。「何で甘くなるんやろ。」疑問は家庭や近所に訪ねるようにも進めています。


多様な自然に働きかける

 動植物以外にも水や空気、磁石遊びを通して多様な自然、事物に触れることは大切です。生活の中でいろいろなところに使われている磁石の不思議さを取り上げます。磁石を使って学校中の「てつ」探しをします。磁石でもつかない物があることを知ります。砂鉄集めもします。

 予想を持って探すことに熱心な子どもたちです。


作ることを取り入れて

 物を作ることを通して、手と頭を鍛え、友だちと考え合うことや作る苦労、できた喜びを味わうことが非常に大切です。より長く廻るこま、よりよく飛ぶ飛行機、そこには作り直しや改良の工夫が必要です。教え合う中で、作ったぶんぶんごまが虹色に光り、廻り続けるのを満足そうに確かめる顔はすてきです。

 毎日の学級通信で、これらの発見や取り組みを紹介したり、作品を読み合ったりして家庭との連携も大切にしています。

トップ 事務局 青年教師 教科指導