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青年教師のための お助け「玉手箱」 2

「「教科指導」実践「玉手箱」
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へぇ!自分の体ってすごい!
〜保健「育ちゆく体とわたし」〜


      京都市立嵐山小学校 中村 雅利


(2007年11月10日)



 水泳学習や一泊二日の野外活動を前にした子どもたちのつぶやきに、「自分の体がこれからどのようになるんだろう?」「お母さんって、どのように僕を産んだのだろう?」「僕の体、友達と同じなんかなぁ!」「みんなとお風呂に入るの?恥ずかしいなぁ」と素直な想いがみえます。

 そこで、育ちゆく自分の体に関わって保健学習を行いました。授業のねらいとしては、性教育の年間指導計画をふまえ@体の発育と二次性徴 A個人差と男女差 B大脳の仕組み(ホルモン)に置き、四年でおさえる用語としては性毛・声変わり・月経・初経・精通・射精を展開の中で扱いました。

 指導計画としては、第一次では絵本の表紙絵から見つけた子どもたちの姿について考えてみました。アフロの女の子、白杖をもつ女の子、松葉杖を使いながら歩く男の子、ラブレターを胸に携えた男の子など。自分たちの周りには、国籍や男女差を超えて、様々な子どもたちがいることを改めて考えました。「みんな、見た目の違いがあっても、いきているなぁ」と。

 第二次では、担任の母子手帳を見せつつ、自分の生まれるまでの様子や生まれたときの状況を紹介しました。それを受けて絵本「あなたが生まれるまでに」(小学館)を読み聞かせました。その中で母体から聞こえる心音(テープ)を聞かせました。「すごい!心臓の音ってこんなん」「生きてる、赤ちゃん」などの声が。受精から、母胎の中で赤ちゃんがどのようにヒトとなってゆくのかをみていきました。

 第三次は、子犬の誕生を扱った絵本「ぼくが生まれた」を読み聞かせ、母胎内の赤ちゃんの成育の写真をみせた後、男女の相違を外性器だけでなく意見交流しました。その展開の初めに男女の内性器を守る骨盤とその骨盤を扱いました。また、体つき、声変わりや胸のふくらみ、性毛などについて育ちと絡めて考えました。「性毛って、自分たちの体を守っているんやぁ、初めて知った」と。

 第四次は、男女の内性器の名前とそのつくり、月経と射精の仕組み、自らの体に初めて訪れる精通と初経について考えました。「いつなるのか不安やけど、自分の体のこれからが分かっていい」と。第五次では、自分の体や自分の内面を見つめる時期、思春期について、思春期を迎えた綴り方を読み上げてその想いについて考えました。授業の最後に「いのちのまつり」(サンマーク出版)を読み聞かせ、自らの命をどのように自分で守り、育てるのかを問題提起し終えました。

 一連の学習の後、書いた想いある子どもの綴り方を紹介します。

 「私は、この勉強で色々なことが分かりました。骨だけで女子か男子かが分かること。育ち方が違うこと。思春期は、誰もが絶対になること。やがて、自分の体にも絶対にそういう事が起きるんだと思いました。私は身長が少し伸びたのに体重が全然増えないので心配です。でも、保健で一番大切だと想わないとだめなのは命と命がつながっている事、命は一つしかないことです。命を粗末にしないで大切にしていきたいです。」

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