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青年教師のための お助け「玉手箱」 2
「「教科指導」実践「玉手箱」
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「い す」 ──音楽の授業から──
宇治市立御蔵山小学校 木村 真留(すぐる)
(2007年7月10日)
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私は、京都音楽教育の会で、二十七年以上、学び続けています。
毎月、合宿例会があり、みんながピアノを弾き合って歌い、そして教室の音楽の授業の実践テープを持ち寄り、聞き合って話し合います。夜は、おいしい物を食べながら、ピアノと友達となって、音楽の広場をつくりだします。
その六月例会の夜の音楽の広場で、工藤吉郎さん(元・京都市立中学、音楽教師)は、御自身が作曲された いす という曲を、弾き歌いして下さいました。その曲が、私の心に、引っ掛かりました。
「い す」
この うつくしい いすに
いつも 空気が
こしかけて います
そして たのしそうに
算数を かんがえて います
まど・みちお 詩 (詩題は「かいだん」) |
二年生を、今年は担任しています。
とても素直な三十五人のこどもたちで「つくしがでたよ、たんぽぽひらいた」(こばやしけいこ 詩、丸山亜季 曲)の歌を、いっぺんに好きになって歌ってくれました。
音楽の授業は、教科書教材の他に、サークルで歌ってきた、たくさんの教材の中から、今、目の前にいるこどもたちと歌いたい曲を選んで歌っています。
その曲の一つにしたいと、私の心に引っ掛かったのだと思います。
「いす」のうたの、「そして、たのしそうに算数をかんがえています」のフレーズが、なんともいえず、教室で算数をたのしそうに勉強しているようすが浮かんできました。
教室で、一つの問題を、みんなでたのしそうに考え合っているという空気が感じられます。
そんな空気を感じて、こどもたちといっしょに歌ってみたいなと思ったのです。
そして、実際の算数の授業も、そんな授業でありたいなと思ったのです。
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