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青年教師のための お助け「玉手箱」 2
「「教科指導」実践「玉手箱」
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みんなで勉強するということ
京丹後市立網野南小学校 和田 誠
(2006年11月10日) |
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三年生の終わりに、クラスみんなで「モチモチの木」の勉強をしました。豆太の勇気や、やさしさをみんなで読み味わいました。それでもおくびょうが治らない豆太に、心を寄せて読むことができました。
そして、「モチモチの木」の勉強の最後に暗唱をしてもらうことにしました。何回も何回も家や学校で読む練習をしていたので、多くの子どもたちが手を挙げました。その中から、H君に読んでもらうことにしました。H君は、みんなの前に出て、堂々と暗唱しました。それを、ジーっと静かに聞いていたA君。H君が読み終わって、みんなの拍手が終わったあと、
「首が痛いのも忘れて、うっとりと聞いていた!」
と、自分の席でうつ伏せになりながらつぶやいたのです。H君に、
「A君のことば、どう思って聞いた?」
と尋ねてみると、H君は、「うれしかった!」
と言いました。そして、それでは言葉が足らなかったと思ったようで、
「すごく、うれしかった!」 と言い直しました。
A君は、一時もじっとしていられない多動な子どもです。自分の好きなことは頑張るけれども、嫌なこと・気に入らないことはちっともしようとはしません。毎日、「いらん」「しちゃにゃあ」という言葉の連続です。習熟度別学習がもてはやされている今日、クラスのみんなで勉強するということが、こんなに素敵な場面を作り出してくれました。
A君の書いた詩です。こんなにスケールが大きくて、ロマンのある詩に初めて出会いました。
しょうらいのゆめ 三年 A
ぼくは、大きくなったら、
うちゅうひこうしになりたい。
ぼくのゆめは、
太ようけいをこえること。
太ようけいをこえたら、
となりの ぎんがにいってみたいな。
となりのぎんが、
アンドロメダ大せいうんに
いってみたいな。
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