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青年教師のための お助け「玉手箱」 2

「「教科指導」実践「玉手箱」


「今どんな授業・学習をしているのか」
     −−おうちの人に丁寧に話すのも大切−−
                  宇治市立伊勢田小学校  東 辰也
(2006年7月10日)


日々の授業を大切に

 学力問題に関心が高まり、学校現場では、一斉テストによる学力調査や、「○○タイム」などの補充学習が広がりました。しかし、果たしてそこには正確な学力課題の把握や正しい手だてが行われているのでしょうか。成果があがりやすいものを繰り返し練習することで「学力がついた」としているなら、少し短絡的ではないかと思います。

 つぎはぎだらけの「指導要領」に基づいた教科書・指導書と無責任な市販テストに頼った工夫のない授業を淡々と進め、つまずく子を多く作りだす一方で、そのつけを、取り立てた指導や習熟度別指導で補おうというのなら本末転倒です。

 「学力充実」には、教科の系統性に基づく教材分析を背景に、子どもの発達段階に応じた「楽しくわかりできる授業」の実践こそが求められていると思います。


一年算数で

 一年生を担任しています。算数では「くり上がり、くり下がりの加減がわかり、できる」が大きな目標です。

 一年生の子どもたちでも「6+7」なら6に順に1つずつ数えて「7、8、9、10、11、12、13」と答えを出すこともできます。しかし、できれば「6は5と1、7は5と2、5と5で10、1と2で3、答えは13」というとらえ方をさせたいものです。その方が一年生の子ども達にとって無理がないからです。そのために、「9まで数」や「9までの加減」から「5のかたまり」を意識させる授業を組みました。

 まず、「9までの数」を具体物で教えます。そして、子どもたちの持っている「つみき」を使って、それぞれ「パッと見てわかりやすい並べ方をしてごらん。」と投げかけました。子どもたちはいろいろ考えます。「6」は「2、2、2」と並べたり、「3、3」と並べたり、「4、2」と並べたりしました。どれが正解ということはありません。横向きや縦向きなど、各自が「パッと見てわかる」という並べ方だったらいいのです。このことから「いくつか固めれば数がわかりやすい」ことをつかめればいいのです。

 この後、「人類は5で固めると数がつかみやすいことを見つけた」というお話をしました。実際に各自が5個の「つみき」をアルミホイルでくるんで「5のかたまり」作りをしました。そして、「バラバラにおかれた8」に比べて「5と3で8」の方がとらえやすいことを実感させました。


父母にも知らせて

 学級懇談で、市販ドリルを見たお母さんから「勉強は遅れていませんか」という質問を受けました。「心配ありません。一年間の目標はきちんと達成できるように計画的にしています。今は数の基礎の大切なときです。あわてずにやっています」と答え、担任の意図と学習のようすを具体的に話すとわかっていただけました。

 今どんな授業・学習をしているのか、おうちの人に丁寧に話すのも大切だと思います。  なお、教具などは学年分用意し、学年みんなで実践しています。

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