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青年教師のための お助け「玉手箱」 5

「教育について学びたい」 理論編「玉手箱」
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いっぱい元気をもらった五年間の専従生活

        京都市立朱雀第八小学校 吉田文子

(2009年4月10日)



 五年間の京教組の専従を終えて、久しぶりに学校へもどりました。校庭には、桜・パンジー・チューリップ等など、花盛りの学校。「あーなつかしい!『このにおい』『この低い階段』『校庭で遊んでいる子どもの声』」たった五年なのに、とっても懐かしい思いになりました。

 京都市の学校に勤めていた私が「京教組の書記局にはいって、仕事をする」当初は本当に、右も左もまったくわからないことばかり、初めてのことばかりでとまどいました。仕事は女性部の書記長を中心に、また生権部にも所属していろいろ勉強させてもらいました。教職員が元気に働き続けられるように、とりわけ、まだまだ男女平等が遅れている日本の国の中で、女性教職員が『自分らしく、人間らしく、働き続けるため』には、乗り越えなくてはならない困難なことがたくさんあります。少しでも今の教育現場の労働条件をよくするために、がんばろうと決意して専従生活に入りました。

 初めての仕事は、各教組の女性部総会での挨拶でした。いく所いく所で、見事に雰囲気がちがい、ことばもちがい、同じ京都でこんなにも違うのかと感じました。それぞれに個性があって、味があって、会議に行く前は、「ドキドキしながら」行くのですが、帰りには、何か「あったかい気分になって帰りました」いつもそうでした。「元気をもらって帰る。そして、がんばろう!」という感じでした。本部で行う女性部の会議は月に一回、それもいろいろ各地の様子を交流して、元気の出る会議でした。こうしたエネルギーをもらって、五年間続けてこられたと思っています。本当に感謝でいっぱいです。

 それと、この五年間で感じたことは、「権利を獲得する」ということの難しさとすばらしさ。この四月から、妊婦の体育実技代替が十学級以下ではひとりに一人がつきました。『一人の妊婦に一人の体育実技講師を』と三十年あまり訴えてきて、少しずつですが前進してきました。「あきらめてはいけない!」と学びました。それと、交渉のときの現場からの参加者には本当に感激しました。忙しい現場から、交渉に駆けつける。並大抵なことではないと思います。今現場で働いている人の「生の声」を上げる大切さを、本部にいてひしひしと感じました。私も現場に行っても、「こうあらなくちゃ!」と思いました。

 もうひとつ、学んだことは「本部があって、組合員がいる」のではなくて、「組合員がいるから、本部がある」ということです。何かわたしも、現場にいると、本部任せということがよくありました。本部がしてくれるし、本部が組合、と思うところがありましたが、本部にいるとつくづく、一人ひとりの組合員さんの存在・力が本当に大切であるということがわかりました。組合は一人ひとりの組合員で作られていて、何か大きいものが引っ張っているというものではない、ということです。本当に貴重な経験をさせてもらい、ありがとうございました。

 さて、この四月から現場で五年生を担任します。新採二年目の青年と二クラスです。 あと二年の教師生活ですが、青年と話していると、私も何か新採のときを思い出し、初心に帰って、とても新鮮な気分です。ひとつひとつ丁寧に勉強しながら、実践を始めたいと今、思っています。

 今年は、第五十五回日本母親大会が京都で開催されます(七月二十五日〜二十六日)。「一人ぼっちのお母さんをなくそう」「三人よれば小集会」などは母親運動から生まれたことばです。職場・周りの女性たちに声かけをして、母親運動の歴史も伝えながら、一人でも多くの女性に参加してもらって、全国のお母さんたちと学習・交流をし、「女性の願い実現」のため大会が成功するよう引き続きがんばります。

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