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青年教師のための お助け「玉手箱」 5

「教育について学びたい」 理論編「玉手箱」



迫る参議院選挙 政治をおおいに語り合い
      憲法と平和、教育とくらしを守ろう



           京都教職員組合執行委員長  藤本 雅英

(2007年7月10日)



 日本の未来、子どもと教育、くらしに関わる重大な参議院選挙、投票日七月二十九日が目前に迫っている。 「消えた年金」、「住民税などの大増税」、「貧困と格差の拡大」、「政治と汚れた金」の問題、さらには、自衛隊による国民の平和活動などへの「スパイ活動」や防衛大臣の原爆投下「しょうがない」発言などに対して国民の怒りの声が燎原の火のように広がっている。

 安倍内閣の支持率が急落している。自民・公明党の悪政の本質が浮き彫りにされつつある。参議院選挙は、自民・公明の暴走政治をストップさせ、悪政の転換をはかる絶好の機会であり、きわめて重要な国政選挙となっている。

 憲法九条を改悪し、アメリカとともに世界で武力行使出来る態勢確立、そして、「従軍慰安婦」への軍関与の否定発言や、沖縄戦に関わる教科書書き換え、DVD「誇り」の普及策動など「戦前社会」への回帰の動きを止めなければならない。改悪教育基本法の具体化、「教育再生会議」による「教育破壊」ともいうべき政策の具体化を許さず、今こそどの子にもゆきとどいた教育を推し進めなければならない。

 安倍首相のいう「美しい国」づくりをすすめる従順な「モノ言わない」公務員、教職員づくりにむけた公務員制度改革や公務・公共サービス切り捨て、人件費削減は、公務員、教職員にとどまらない国民的な大問題である。教職員の長時間過密勤務問題も深刻な問題である。サービス残業分の人件費も増やさず、新しい職を設けて賃金差別を広げ、教職調整額の差別支給をおこないさらに教職員の分断・管理強化さえ強めようとしている。このような教育破壊につながる動きを許してはならない。

 この間の教育基本法改悪、「教育三法案」反対のたたかいは、その反動的なねらい、本質が明らかになり、子どもと教育を守る共同が大きく広がった。「全国一斉学力テスト」が教育格差をいっそう拡大することへの国民の懸念が広がっている。教育予算を減らしながら教育反動化と格差拡大に暴走する安倍内閣の「教育再生プラン」への疑問と批判が広がっている。京都府教委の教育長は校園長会議で「国レベルで提起される教育改革に振り回されずに、地域に根ざした教育改革をすすめるべき」と言い、「教職員を疲れさすような無駄なことをさせるな」とも述べた。そういわざるを得ないところにも安倍内閣の「教育改革」の矛盾の深刻さがあり、府民、国民的な運動の反映がある。

  そうした運動の到達点をふまえ、改悪教育基本法の具体化を許さず、憲法に立脚して、子どもたちの豊かな成長を保障する教育、教職員が「誇り」をもって立ち向かえる教育を進めるために参議院選挙に関わる政治論議、政党選択の論議を職場からおおいに広め深めなければならない。 (〇七年七月三日)
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