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第6分科会 報告

民主カウンセリング・ワークショップ
  〜生き生きとした温かい人間関係をつくるために〜


      光木 和子(民主カウンセリング研究会)


 今回のグループは男性6名、女性7名、計13名の参加者で行われた。初めて参加された青年の衝撃的な体験談と、迷いながらも懸命に生きていこうとされる姿に、皆感銘を受け自分の思いを確かめながら語り合うグループになった。宗教について、また母親、父親との関係について、それぞれに自分の体験と重ね合わせながら深めていく場になった。

 発言の随所に前日の全体会での高垣先生のお話、「自己肯定感とは」ということについても触れられたのが特徴的であった。今の時代を生き抜く上で、見失いがちの自己肯定感をいかにして獲得して保持するか、簡単なようで難しいテーマである。

 全体の流れとしては、会長の挨拶のあと、オリエンテーションを行い、初めに参加者全員が今ここにいる気持ちを出し合ってから、自由な話し合い、聴き合いの体験学習を行った。


◎ はじめに

 最近の国際情勢、国内状況を見ると、暮らしは貧しくなるし医療や福祉の現状も厳しくなって庶民は苦しめられている。うつ病に悩むなど精神的な疾患を持つ人も増え、教職員でも7000人から8000人が休職している状況である。学校社会でも格差が広がり子どもも教職員も苦しんでいる。

 一般の人々もまじめに働いても暮らしていけない状況がある。それが元で家族間の問題が起こっている。大事なのは人間関係の中で、優しさや温かみがあること、これを痛感している。

 自分の体験から、悩みがあるとき自分のそばで黙ってたたずんで話を聴いてくれる人、自分の身勝手なことも批判もせず聴いてくれる人、こういう人の優しさのおかげで切り抜けてきたと思う。こういう体験がどの方もあると思う。

 お互いにここで自分の思いを話し、聴くほうも共感的に話を聴かせてもらう、それについて思うことを発言させてもらう、そういう場にしていきたい。昨日知恩寺に行ったら、「人は耳が二つで口一つ」と書いてあった。よく聴いてあまりしゃべらないということ。やっぱり相手の気持ちを聴き貫くことが大事だ。今日もお互い自分を飾ることなく話していきたい。


◎ オリエンテーション

○ 守秘義務について

  はじめにこの会でテープを取らせてもらうことをお断りしておく。年報に載せるまとめのためであって個人名が出ることなどは一切ない。こういう会では自分の心の中が出てきて後で後悔することがある。言わなかったらよかった、どこかで話されたら困る、ということがあるのでお互い守秘義務を守り、他の場所で名前など出して不用意に話すことは控えてほしい。

○ 参加者が主人公であり、自由な場

 こういう世の中なので、心のふれあいの場が少なくなってきた。本当の心で聴きあう、話し合うということが少なくなってきた。いつもは言えないこと、気持ちなどをこの場で出したくなったら出してほしい。自由な雰囲気の中で自分自身を表現しまた人の話を聴いてほしい。案外、「あら、自分はこんなことを考えていたんだ。」とか「こんな人もいたんだな。」とかびっくりするようなことに出合ったりする。

 この会は参加者が主人公なので、この時間は自分の時間である。司会者というのは普通司会をして、何が正しいかを論議したり意見をまとめたりする仕事だが、この会はそれはない。自分の中を見つめたり他の人と触れ合ったりする場であり、遠慮はいらない。自由に発言してもらってよい。黙っているのも、会場から出るのも自由である。もちろん暴力とか暴言はだめだが、あとは自由である。自分の心のありよう、自分の思うところを出してほしい。


◎ 話し合い・聴き合いから・・・・略


(詳細については「京都教育センター年報 21号(2008年度版)」をごらんください。)

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