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生き生きセカンドラシフ

藍染めに出会って


    飯沼 潤子(宇治市退職教職員)
 

 定年退職後、いろいろなこと(コーラス、着物リフォーム、ピアノ・・・)をしていましたが、四年後に藍染めに出会いました。きっかけは、先輩から藍の種を送っていただいたこと、また、その種は福知山の藍同好会のもので、NHK番組でも紹介されていたのを見たことでした。「誰でも藍染めができる」「小さな場所でポリ容器を置ければ」ということでした。特別支援学級担任の時には、草木染めで毛糸をそめて、指あみマフラーをつくったり、また、クラブ活動で“染めものクラブ”をつくり、身近な草木でハンカチ等を染めたことがあり、“布を染める”ということは経験していたので、福知山は少し遠いのですが習いにいこうと決心しました。

 しかし、私にとっては、大変なことでした。それは、藍という草を育てることです。この農作業は、野菜づくりの経験はしているのですが、出来ても出来なくてもよいという、私のこれまでのいいかげんな野菜づくりではなくて葉を収穫しなければなりません。三月に種まきをして収穫は七月末です。その間の水やり、肥料やり、草とり等も、暑い中の作業です。刈り取りをし葉をちぎり乾かし、その葉を発酵させて、天日に干して、やっと“すくも”ができあがります。

 藍染め作品をつくるというよりも、“すくも”をつくることに大半のエネルギーを費やしてきました。結果としては、藍の葉の収穫は失敗なく出来ることと、藍液の状態の把握、染まるかどうかもわかるようになってきました。

 さて、藍染めの作品ですが、手法はたくさんある中で、私が学んでできるのはわずかなものです。スカーフやTシャツは藍がえしというもので、よく作ります。つまり色が三色(白、うすい青、こい青)あるものです。

 針をつかって模様をつくり染める、縫い絞りもよくします。写真(一)のワンピースは、昨年、ゆかた地一反を縫い絞って染めたものです。私は、姉妹から笑われるぐらい不器用で、自分でも針をもったり、ミシンを使って洋裁をやれるとは思いませんでしたが、とにもかくにも、自分で縫い絞り染めあげた布で、下手なりにも洋服がつくれたことに大満足をしています。これから、藍染めと洋裁は、私にとって結びついた楽しみとなると思います。

 写真(二)は藍の型染めです。型染めを習いはじめた時に、「感動したものを絵にしなさい。そのためにいつもデッサンを」と教えられました。藍染めの新たな発見をしたように思いました。そこで私は、「アンネのバラ」を育てていましたので、咲きはじめたバラの花の色の変化(赤いつぼみ→だいだい色の花びら→ピンクへ)にみとれ、アンネへの想いもあり、なんとかこれを藍の色で表現できないかと思い作品にしました。型染めは、一つの型をほれば、何度も同じ模様で染めができますので、力をつけていきたい手法です。

 最近になって、急にですが、「スカーフを染めて」とか「染めさせてほしい」とか、藍を通してのつながりが増えてきました。とても嬉しいことです。体力と相談しつつ、ゆっくりと、もう少し藍染めを続けようと思っています。

 
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