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NHKを視聴者にとりもどそう


    NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表 湯山哲守
 

 6月18日、NHK経営委員の百田尚樹氏は静岡市での講演で「日教組は日本のガン」、「南京大虐殺はなく、従軍慰安婦はウソ」、「日教組は何十年間も、純粋無垢な子どもたちに贖罪意識を教え込んでいる」などと乱暴な意見を吐きました。彼は2月には都知事選挙で元空幕僚長の右翼・田母神俊雄氏の応援に立ち、街頭で他候補を「人間のクズ」とののしり、5月3日には、「護憲派は大ばか者」と放言。24日には岐阜で、軍隊を持たない南太平洋の島しょ国バヌアツ、ナウル両共和国を「家に例えると、くそ貧乏長屋で、泥棒も入らない」などと侮辱するなど次々に暴言を繰り返してきました。

 もう一人の問題経営委員・長谷川三千子氏も1月22日、参議院議員会館で開かれた集会、「戦争反対!?女性大集合」に出席して(潜り込んで)突然マイクを奪い、「私は安倍首相の応援団長です。このたび、NHKの経営委員にもなりました」と公言。さすがに浜田経営委員長と上村経営委員長代行は、両委員の言動は「いささか品格を欠く」と批判、経営委員会は「公共放送の使命と社会的責任を深く自覚するとともに、一定の節度をもって行動していくこと」を申し合わせ(2月12日)るほどでした。

 籾井会長が醜く居座れるのは、安倍政権が送り込んだ問題経営委員たちが支えているからです。とりわけ異様な「問題児」が上記両経営委員なのです。長谷川三千子氏は、朝日新聞本社で自殺した右翼活動家を讃えた文章を書いたことが知られていますが、元もと「反民主主義」を標榜する右翼思想の持ち主です。著書『民主主義とは何なのか』(2001年、文春新書)はびっくりする本です。目次を拾えば、「第一章『いかがわしい言葉』デモクラシー」「第四章「インチキとごまかしの産物??人権」となっています。「民主主義」、「人権」そして日本国憲法そのものを否定する彼女は、放送法で「健全な民主主義の発達に資する」ことを義務づけられている「NHK経営委員」に不適格な人間であることは明らかです。

 6月21日、大阪の中之島公会堂で「どうする公共放送の危機!」と題する関西大集会が開かれました。遠く秋田、広島からも参加し「NHKをとりもどそう」と運動を始めたばかりの人々を含め、同公会堂は満席となりました。安倍首相が時間枠の半分を占め、集団的自衛権をめぐる「自公のすり合わせ」のみを「広報」するNHKニュース。籾井会長が自らの権限を横暴に揮う「情実・懐柔・弾圧」人事。「クローズアップ現代」でさえ、秘密保護法や集団的自衛権の検証を全く行なえていないなど、NHK内部で明らかに「萎縮」が始まっており、視聴者による「NHKを励ましつつも、批判する」運動の急務が訴えられました。全国署名は6月21日現在5万2千。NHKが発表した「受信料銀行引き落とし停止」は3万700件。私も参加する「視聴者コミュニティ?」は「受信料凍結で籾井会長を辞めさせよう!」と5月から半年間の「支払い凍結」を呼びかけています。「凍結Q&A」も発行しています。

 6.21集会のアピールは、「籾井会長の罷免を実現し、さらには、視聴者主権を体現した『会長選出のシステム』づくりをめざして私たちの力を合わせましょう。」と結んでいます。

 
   
   
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