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情勢ナビ Xバンドレーダー問題
京都に米軍基地はいらない!

              京都に米軍基地いらない府民の会事務局長 戸田昌基
   本文には、○番号の写真が掲載されていますが、ホームページ掲載に於いては省略しています。
 

1.米軍専用レーダー基地設置反対が大きな声に

 2月末に突如として、米軍レーダー基地の京丹後市経ケ岬への設置計画が知らされ、地元京丹後市も京都府も「寝耳に水」とびっくりする事態。京都の平和民主運動も「エッ!」まず絶句。そして「Xバンドってなんや」から始まっての緊急学習や設置反対の声明などから、「米軍専用レーダー基地の設置の撤回を求める京都府民の会」の結成。緊急申し入れ、署名・宣伝行動、そして6月15日の丹後での500参加の「現地集会」開催など、4ヶ月に及ぶ設置反対の取り組みが、一つの転換点を迎えようとしています。

 5月下旬までに、防衛省は地元の丹後町地域を中心に京丹後市で3巡目の説明会を開催しました。しかし、繰り返し行われた説明会は、「米軍の秘密」として強力な電磁波(家庭用電子レンジにして、2000個から2500個分)を発し、150メートルの立ち入り禁止区域となるレーダーの出力や運用実態も示さないまま。具体的に言うことは、「約160人の米軍および米軍属が所属する」とか、「一日5万リットルの水を使用」とかの話ばかり。米軍および軍属による事件・事故の心配・不安についての声にもまともに答えない。半径6キロ・高さ6キロの民間機飛行禁止区域の設定で、ドクターヘリや救難ヘリの飛行については「レーダーが停波されると承知している」と他人事。

 地元の方々は、説明会が開催されるたびに不安や疑問が増している状況です。

 京丹後市も京都府も、防衛省に対し、質問状、再質問状、追加質問を出しましたが、その防衛省回答たるやほとんど質問をはぐらかすような内容で、誠意がないものです。

 6月早々にも、京丹後市長の基地受け入れ表明かとの一部報道もありましたが、地元中の地元の反対・不安と根強い防衛省不信に、表だった動きができない状況まで、追い込むことができました。丹後半島一帯には、250本を越える米軍基地反対の看板が道々に。

 7月1日には、京丹後市と京都府に、米軍基地設置計画の撤回を求める署名約9500筆を提出するとともに、基地設置に反対するよう要請書を提出し要請行動を行いました。

 京都にはじめての米軍専用基地設置を許さない運動は、設置計画撤回へ府民的な取り組みを強めていく段階を迎えています。


2.米軍Xバンドレーダーとは何か−「最前線の目」

 防衛省は、「Xバンドレーダー」と銘打って基地設置計画を説明しました。運動の側にも「Xバンドって何だ?」のとまどいもありました。「Xバンド」とは、電波の周波数で、X帯と名付けられた範囲の電波です。短い波長の電波によって、約千キロ離れた6pの大きさまで識別できます。ただし、雨や雲などに弱いため、1メガワット以上の電力で発信し、その強い電磁波で立ち入り禁止区域が150メートル設定されています。強い電磁波は、立ち入り禁止区域外でも影響があるのではとの指摘もあり、住民の不安は大きいものです。

 防衛省は、「日本の安全に寄与する」と説明しますが、本質は米本土へ向かう核弾道ミサイルを察知・追跡し、米本土で撃破するための「最前線の目」としてのレーダーです。敵の核ミサイルを探知・撃破することで、米国からの核ミサイル攻撃をも可能とする「核戦争戦略」に深く組み込まれたレーダー基地となります。レーダー基地は逆に攻撃の的になることも指摘されています。


3.平和な国際環境こそが大事

「北朝鮮脅威」を煽って米国の核戦争計画の「最前線の目」となる米軍専用レーダー基地の設置を許してはなりません。北朝鮮の核開発とミサイル開発という戦争瀬戸際政策を止めさせるためにも、北朝鮮を含めた6ヶ国協議(日米韓中ロと北朝鮮)を開催するなどの平和的な取り組みが重要です。戦争準備からは平和は生まれません。米軍基地が設置されれば、基地があるが故の問題も数多く出てきます。米軍基地が設置されたら、なかなか撤去できないことも肝に銘じて、設置計画撤回まで運動を強めましょう。
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