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教育基本法・学習会・・・・25           2004・9・20.

                                         土野 友人


     「誰も知らない」 !


・「冬ソナ」ブームと言われているようだ。韓国では、全体として米映画が減少していく傾向にあるとか・・、日本での7:3というアメリカ傾倒に比べて、韓国映画界の健闘ぶりは立派である。映画について語るのが趣旨ではない! 日本映画「誰も知らない」を見る機会があった。学校現場を離れて9年目、児童館で子どもたちと遊ぶ機会はあったけれども、なにかと子どもたちから離れてしまって・・・・・、最近の少年・少女たちの「事件」を聞くにつけ・・・・どうなってきたのか日本の社会は・・・・ブッシュ・小泉の力の政策か・・・、なんでも競争主義・国家主義のゆがみなのか、医療・福祉・教育という市場原理を導入してはいけない世界にまで政策的・意図的に「民営化政策」してくることによる子どもたちへのしわよせなのか・・・・などと思わざるをえないが・・・・。

・海外旅行などで、良く見かける大きな「トランク」の中から、かわいい女の子が、別の「トランク」からは幼い少年が出てきた。転宅条件なのか、母と12歳の少年二人でアパートに転宅してきとところから始まる・・・。やがて、母親もいなくなり12歳の少年が母親代行、幼い子どもたち4人だけの生活・・・、(外出できない生活から、ふと、「アンネの日記」をおもったり・・・、貧しさの中での少年のたくましさから、戦後の「鐘の鳴る丘」をおもったり・・・)   やがて、電気も、水道も、ガスも止められてしまう・・・・。もちろん「学校」にも行けない、戸籍もない、まさに「誰も知らない」生活が毎日毎日続いていく・・・・。1988年に東京で実際に起こった「子ども4人置き去り事件」をモチーフにされたとか・・。

・今年は「教育基本法・連続学習会」にとりくんで、いろいろと考えさせられている。この映画を見て、この学習会活動を、この映画が示す「子どもたちの現実の生活」をおもいながら考えるときに・・・・

「・・・やがて、子ども達の閉ざされた生活は破綻し、いちばん弱い者に悲劇が訪れる。・・このつらさを映画を見ている私たちひとり一人が背負わなくてはならない。・・・・自己中心的な生を生き、その事実から目をそらそうとするとき、そのしわよせは、いちばん力を持たない者へ押し出される・・・」(8/20、朝日)

・・・知っているはずの誰かを知らずにすませてきた者のひとりという立場に身を置いて、自身への怒りと社会への問いをこめ、置き去られた子どもたちに語りかけようとしたのではないだろうか。君たちが確かにいたということ、生きようともがいたこと、泣いたこと、笑ったこと、「僕たちはしっているよ」と。(8/30、赤旗)
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