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速報  京都教育センター 2007公開研究会 報告(概要)

講演
『PISA型学力』を検証する:「リテラシーと学力」

                 松下 佳代先生 (京都大学教授)

【日時】 2007年9月9日(日)13:00 【会場】 京都教育文化センター 301号室


【概 要】

 京都教育センターが主催した秋の公開講座には、約70名の参加があり、学力問題に活発な意見が交流されました。

 この公開研究会は、今年4月に実施された全国学力テストに関して、結果が公表される前に検証を行い、子どもたちが身に付けるべき学力とは何かについて意見交流を深めようと開催されたものです。

 はじめに、野中一也・京都教育センター代表が挨拶。野中氏は「日本の支配層がテスト結果をどう活用しようとしているのか心配だ」と危惧を呈しました。

 講演の中で、松下佳代・京都大学教授は全国学力テスト導入の背景や、日本ではPISAの記述回答を求める問題への解答が少ないことなどを指摘し、今回の4月のテスト問題が、本来のリテラシーを高めるためではなく、「PISA型学力」のみに焦点をあてて数値向上の対策にしようとしていることを解明しました。

 また、今回のテストが悉皆(しっかい)調査になっていることにも触れ、学力テストの目的が、教育行政の政策を評価・検証するためだけではないことも指摘しました。

 講演後、中学校の現場などから報告があり、その中では、学習指導要領で、関心・意欲・態度が評価対象になるなど、「学力向上」と矛盾している問題点なども出されていました。

 なお、この公開研究会の詳細については、京都教育センターにより報告集が発行される予定です(部内資料)。

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