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京都教育センター&日本科学者会議京都支部主催

「教育基本法改悪反対討論集会」に60名が参加
(集会の概要)


 ここに掲載した記録は、2006年9月23日に開催された「教育基本法改悪反対討論集会」の中で行われた内容を、当日の記録にもとづいて京都教育センター事務局の責任でその要旨を編集したものです。文責は、京都教育センター事務局にあります。


講演する石井拓児さん















9・23集会の様子(1)





















9・23集会の様子(2)





















報告する大平勲さん














【日 時】 2006年9月23日(土)13:30〜17:00

【場 所】京都教育文化センター 302号室

【内 容】講演  「教育基本法改悪法案」を斬る      講師  石井拓児さん(名古屋大学・教育学)             

      報告 ・「教育現場からみた教育基本法」大平 勲(教育センター事務局長)
         ・「私学をめぐる状況と教育基本法」(要請中)

      討論/行動提起

主催   京都教育センター & 日本科学者会議京都支部

 京都教育センターと日本科学者会議京都支部が呼びかけた「教育基本法改悪反対討論集会」に、大学人、研究者ら60名が参加し、教育基本法改悪の狙いなどについて討議を深めました。

科学者会議京都支部代表幹事の富田さんが挨拶

 はじめに、科学者会議京都支部代表幹事の富田さんが挨拶を行いました。富田さんは、「2回目の教育センターとの共同開催になる。科学や平和のために役立つように取り組んで、今、9条を守る取り組みもしている。その先駆けとしての教育基本法改悪の動きに反対運動をしなくてはいけない京都は大学の先生が多く、これまでも教育センターの方々と共に取り組んできた。9月22日の東京地裁判決では、「日の丸・君が代」で強制を許さない、すばらしい判決がでた。都教委の判決無視の動きに対しても反対して行かなくてはならない。いろいろ報告をふまえて、討論を深めて欲しい。」(要旨)と挨拶されました。

「『教育基本法改悪案』を斬る!」と題して石井拓児(名古屋大学・教育学)さんが講演

 続いて、石井拓児(名古屋大学・教育学)さんが、「『教育基本法改悪案』を斬る!」と題して、約1時間あまり講演をされました。石井さんの講演要旨は次のような内容です。(なお講演の詳細については京都教育センター作成の小冊子をごらんください)

 石井さんは「はじめに」の中で、「 改悪案で二つの文言が消えた。」と指摘されました。「それは、『全体の奉仕者』と『国民に対して直接に責任を負って』という内容であり、これは教育基本法10条の大きく関わる「直接責任制原理」で、これを変えたいというのが今回の改悪の狙いの大きな柱だ」と説明されました。そして、 北海道宗谷地方の教育合意運動 や戦前の北方教育運動や綴り方教育運動などにもふれ、「今の状況の中で、もう一度、この実践を見ておく必要がある。」と指摘されました。

 続いて「教育基本法『改正』の本当の狙いは何か?」と提起。「政府は、『子どもの荒れは教育基本法のせい』『ホリエモンも教育基本法のせい』などと言うが、経済のグローバル化の中で、日本の企業の世界進出がはじまって、そのために日本社会の帝国主義化が進み、軍事大国化や規制緩和の必要性から、国内の構造改革や医療・福祉の削減が必要になってきた。この中で「戦争する国づくり」が課題になってくる。そして、その中での『国民の統合化』の必要性で教育基本法改悪がでてきている。 」とその狙いを語られました。

 そして、「その中で『新しい国家論』が登場している」「権力を縛るのが憲法だったが、この立憲主義に大きな転換があるが、これは教育基本法の中にもみられるものである。」と指摘されました。中教審中間報告をもとに「国家戦略としての人材教育立国をめざすということになる。これが中教審答申の基本理念であり、その中で教育基本法の全面「改正」が出てきている。国家により強力な権限を持たしながら、競争社会を勝ち抜くということになる。」と説明されました。

 焦点として「やはり教育基本法10条の改定が問題となってくる。」と指摘。「現行の第10条では1項目で「教育は」とあり、2項目で「教育行政は」ということに注目してほしい。教育行政は不当な支配をしてはならないというのが規定である。教師や学校は、国民に対して直接に責任を負って教育を進めると言うことがきちんと書いてある。」これに対して、「経済連は、『こんな制約を受けたのでは国際競争で勝ち抜けない』として、10条の削減を主張している。国が教育の方向性を示すというのが、経団連の主張である。」と説明されました。

 続いて「教育基本法改悪案の内容についてふれたい。」として、第2条(教育の目的)に関して、「『精神を養う』と共に『態度を養う』と書いてあることが重大で、『態度を養う』ことは外部評価がしやすいので、『日の丸・君が代』でも『ちゃんとおじぎをしたか』『大きな声で歌ったのか』というように、何でも可能になる。 」とその危険性を指摘されました。

 そして、「一番大事なのは案の第16条、17条である。第16条は教育行政を『この法律・法律等にもとづいて行う』として、書き換えている。それはさらに17条での『教育振興基本計画』になる。政府(内閣)が、教育計画を立てて定めて、それは国会には「報告する」だけでよくて、学校に対して法律文書に近い形で、『これに基づいて教育をしなければならない』という構造になっている」。またこのことが一部で論じられているような「教育予算の確保」にはつながらないことなど、その問題点を説明されました。そして、「政府はこれによって、計画を定めることが出来て、学校はそれを遂行しなければならない。教育に置ける民主主義の破壊である。 教育の目標自体を法律の中に書き込むこと自体が問題だ。教育勅語は法律文書ではない。1880年代に法律化すべきかどうかの議論があって、『法律にはなじまない』ということになって、『お言葉』として発表されたものである。教育の目標を法律に書くことがまずいというのは、戦前ですら行われた議論である。その点で、教育勅語以上に最悪の法律案である。」と、この改悪が教育の民主主義を破壊するものであることを告発しました。

 また改悪案の第2条に関して、「書いてある人間像をきちんと見ておくことが大切だ。最後に出てくるのは、豊かな情操と道徳心であって、自然や生命を科学的に理解することが全くない。ただ、自然を大切にせよというもので、科学的精神が消えている。『国を愛する態度』もそうで、『この国はいったいどうなのか』などの社会認識は深めることを書かないで、ただ道徳的に『国を愛する』となる。しかし、科学的な認識を深める人間をつくっていかないと、経済連のいう国際社会に通用する人間すらできないのではないか。外国で活動する社員でも、きちんとした歴史認識を持たなければ、やっていくことはできない。国際的な感覚が身に付いていない日本人では、経済界自体が困るのではないか。そういう議論をどんどん出していくことが、法案を食い止めることになるのではないか。 」と指摘されました。

 さらに改悪法案が「教員狙い撃ち法」になっていることも指摘。「 先の国会の討論で、組合に対する攻撃が非常に強い。町村元文科相は『一部の組合幹部はマルクス・レーニン主義から脱しきれない』と、教員や教組をねらい打ちにしながら、改悪を進めようとしている。憲法「改正」手続き法案でも、教員や公務員が語ることすら許さないそういう枠組みになっている。こうした形で教員の政治的自由を奪う形で、改悪が進められようとしていることを見落としては成らない。」と語られました。

 そして、「教育基本法『改正』後のグロテスクな世界」として、「国が経済界が教育に求めるものを定めて、教育現場の末端に下していくという構造がある。すると『子どものための教育』というのは、全く無視されざるをえない。戦前の画一的・統制的教育の中で子どもたちの自主性や民主主義が弱まってしまったという反省が教育基本法を生み出したが、その教訓にまったく逆行した管理的・統制的になり、求めている人間像も道徳だけが押しつけられる人間像になってしまう。民主主義的な訓練を受けてこない国民が大量に出てくる。日本の民主主義自体が破壊されることになる改悪である。日本の民主主義自体が危機になる。」と日本社会におけるの民主主義の危機を指摘しました。

 最後に「では、どうすべきか」という課題を提起し、「『改正』されたら大変なことになるが、その前段階でどのような国民的合意をつくるかが大切。それは改悪されたあとでも重要な意味を持つことになるからで、『愛国心』ひとつをとっても、どう理解するのか、徹底した討論を通じて、合意を作っていくことが大きな意味を持つことになる。」と指摘、「この合意形成は、そう難しいことではない。 教育基本法が改悪される前から、すでに教育への攻撃が強まって、『同じ事が起きているからどっちでもいい』という議論もあるが、やはり『日の丸・君が代』の裁判の場合にはやはり、憲法・教育基本法の判断が必要なわけで、改悪を許さないことが大切である。 」と締めくくられました。(なお講演の詳細については京都教育センター作成の小冊子をごらんください)

報告T 「教育現場からみた教育基本法」 大平勲さん(京都教育センター)

 続いて「教育現場からみた教育基本法」と題して、京都教育センター事務局長の大平勲さんからの報告がありました。

 大平さんは、「はじめに子どもの状況を話したい。」として、「小学生の暴力が増えてきた。子どもがどんな状況に置かれているのか。ストレスが増えてきた、コミュニケーションがうまくとれない、そこに仲裁にはいった先生がやられる。しかし、見ておかなければならないのは、子どもがどんな社会の中で生きているのかということで、子どもが儲けや市場主義のターゲットになっている。市場ではブランドものに群がる者と、100円ショップに群がる者があるように、社会格差が大きくなっている。全国的には12.8%の就学援助が生まれている。生活の厳しさが生まれ、そんな中で子どもが学校に来ている。「将来の夢」が書けない子どももいる。給食だけ食べて帰る子どももいる。」と説明されました。

 そして、元中学校教師としての経験を振り返り、「赴任した学校は生徒指導困難校だったが、そこで気になったのは、『高校行きたくないわ』(行きたくても行けない現実)という置き去りにされた子どもである。中3の時に「10円塾」を始めた。小学校3年レベルからのつまづきを取り戻す取り組みだったが、次の日は、また元通り。しかし、それを繰り返す中で、子どもはタバコをやめて家に帰るようになった。高校進学に希望を持てたのではないか。こういうふうに子どもを大切にするということで、職場の理解を得て取り組んだ。残念ながら高校には受からなかったが、『人生捨てたらあかんよ』ということを教えたかった。うれしいことに、先の円山集会で、教え子が京建労の左官見習いとして来ていてうれしかった。これが教育基本法の精神だ。」と説明されました。

 そして、「これを改悪されたらどうなるか、そんな子を切り捨てて、進学率を上げたり、クラブの成績を上げることを求められるだろう。今でも教育基本法に反することがどんどんやられているが、改悪されるとそれに『お墨付き』を与えることになる。『日の丸・君が代』の東京都の通達に対して、400人の先生が訴えて、安倍が自民総裁になった次の日に『憲法違反』の判決が出された。教科書の杉本判決以来の歴史的な判決になるだろう。東京足立区教育委員会などのホームページには学校ごとの学力テストの成績が公表されている。京都も、東京ほどではないが、『東の東京都、西の京都市』と言われるほど先取りが進んでいる。今、教育行政は『教育基本法』を語らないが、改悪されたら、権力はこれから「(改悪された)教育基本法にそってやれ」と毎日のように言うだろう。職場で声を上げることから、学校づくりを進めたい。東京の調査でも、66%の校長が教育基本法の改悪に反対している。この法案を葬り去れば、教育基本法が職場でも根づくと思う。 」と報告されました。

報告U 「私学をめぐる状況と教育基本法」 田中宏道さん(日本私大教連)

 続いて、「私学をめぐる状況と教育基本法」と題して、日本私大教連の田中宏道さんが報告されました。

 田中さんは「現行教育基本法は大学の規定がないので、私立大学人にはなじみが薄い。『現場でどうなるのか』ということへの危機感少ない。」と現状を報告しながら、「『改正』案の第二条は非常に大きな意味を持っている。大学自身への影響は、初等・中等の段階で、締め付けられ、型にはめられた学生が入学してくることだろう。」と指摘し、スウェーデンの制度的保障にもふれながら、「日本ではひとたび『落ちこぼれ』れば、もう救えない。大学にも第2条で講義内容にも縛りがかかるのではないか。学問の自由や大学の自治についても全くふれられていない。卒業生の人格形成をゆがめる危険性を持つ。」と説明されました。

 続いて、 教育現場への影響について、「一つは『能力に応じる教育』から『能力に応じた教育』へ変更され、学力テストで選別され、それからそれた者は放って行かれる。また、『教育の機会均等』で、『奨学の方法』から『奨学の措置』への変更は、国、公共団体の義務をゆるめ安上がりな措置で済まされる危険性と共に、能力的にも選別される危険性がある。案の第7条で大学の項目が新設されたが、これも大学が巻き込まれることになる。また第9条の問題もあり、大学で『教員評価』が出ているが、大学でも評価制度がやらざるを得ない状況がでてくるのではないか。私学も振興法で1/2助成だが、一般助成から特定の助成に移されて、薄いものになっていくいくのではないか。」などさまざまな問題点を指摘されました。

 最後に、改悪案の廃案にむけて、「できることはことごとく手を尽くして取り組みたい。反対署名、反対声明。また、ファックスを送りつけるというのは結構効果があるようなので、取り組みたい。また、教育関係団体への取り組みも、今一度反対の声を上げるように取り組むことが大切となっている。最大の被害者はこれからの子育て世代である。若手教職員、学生諸君、その他の若手世代への訴えを強化していく必要がある。また宗教界、その他の良心的な人々との共闘を追求していきたい。」とまとめられました。

教育基本法「」改正案の廃案求める 20氏のアピール賛同の訴え 鰺坂 真さん(呼びかけ人を代表して)

 続いて、9月18日に「現行『教育基本法』の理念を否定し、教育の目的を覆す『教育基本法改正法案』の廃案を求めます〔緊急アピール〕」を発表した20氏の呼びかけ人を代表して、関西大学名誉教授の鰺坂真さんが訴えをされました。


 鰺坂さんは「日本科学者会議京都支部と京都教育センターに事務局になってもらって『廃案を求めるアピール』を発表した。緊急のアピールだったが、たくさんの方から返事をいただいて、毎日50名を越える賛同署名が届いている。これを緊急に広げていきたい。今日参加されている方でまだの方も賛同署名を出して欲しいし、周りの人に広げて欲しい。ぜひご賛同いただきたい。 このアピールは、いちいち申し上げることもなく、石井・大平・田中先生の報告で詳細に論じられたように、今回の改悪は『言語同断』で、どうしてもこれを食い止めなければならない。日本国憲法との関連も指摘されているが、日本の民主主義をなくそうとする勢力が本腰で取り組んでいるもので、我々も全力で取り組まなければならない。 よく『日本では市民革命がなかったからだ』と言われるが、我々の社会が憲法に追いついていない。憲法に近づくことが、日本の市民革命の完成と言えるのではないか。このアピールを緊急に広げる取り組みに、ぜひご協力をお願いしたい。」と訴えられました。

討論、取り組み交流

 その後、討論や取り組みの交流が行われました。

 左京区に勤めている方は「左京の取り組みを報告したい。」として、「左京の取り組みと左京アピールが入っているので見て欲しい。50名の集会で運動を広げようとしている。さまざまな地域のお母さん方が、そもそも教育基本法を知らないと言うこともあって、その学習会からはじめている。今後、集会や『左京アピール』への賛同署名などにもとり組みたい」と話されました。

 私学教職員組合からは、「高校生の1/3は私学で学んでいる。定員を満たしたのは7校のみ、あとは定員割れ。理由は学費が高いということ。私学援助は、年間一人あたり34万円、あとの差額が授業料ということになる。父母に過大の負担を背負わせて学校に行っている。」と現状を報告。そして、改悪案について「『私学の自主性を重んじ』から『私学の自主性を尊重しつつ・・・』に変わっている。それは尊重するふりをして、『目的に添うならば金をやろう』ということになる。しかし、若者や学生がその被害者になっていくことを考えたときに、今日も高校生が集まって。集会や私学パレード成功に取り組んでいる。実質的に食い止める活動をやっていきたい。」と報告されました。

 科学者会議の方からは、「科学者会議では大学の問題が大きな問題になっていて、法人化の中で何が起きているか、大きく言うと、トップダウンが進み、教授会が機能しなくなってきている。改悪案の『教育振興基本計画』が大学を含めて網をかぶせてくるので、大学はのんびりしているところもあるが、決してそうではない。『教育基本法の教育』は戦後ずっと無視させてきた。戦前は教育勅語を暗記させただではないか。教育基本法の前文を暗記したり、節をつけて覚えたりする運動を進めてはいかがか。」という発言がありました。

 また科学者会議の別の方からは、「先ほどの鰺坂先生のアピールの話に関連して、日本の社会にまだ民主主義が根付いていないということ、それを実感する。自分の子どもと話していても、『会社の中はは封建制度そのもの』と言う。社長の声ひとつでクビにもなる。『改正法案の廃案を目指す運動』というのは、これを廃案にできれば、日本に民主主義の革命ができるということなので、日本の民主主義を形式的なものから実質的なものにするために『攻めていく』という運動を進めていかなければならないと思う。そういう方向で意気高く取り組んでいきたい。」と発言されました。

 また、会場の方から「すごくすばらしい教育基本法だが、学校の中で無視されてきて、校則などで、子どもたちをしばって、現在に至っていて、その「つけ」がまわってきた。そのすばらしいものが何が原因で、「無視」され続けてきたのか。秋の国会が始まれば、急な展開になるが、われわれの運動にどれだけ余裕があるものなのかを聞きたい。」との発言がありました。

 また元高校教師の方からは「私も高校教師を長くやってきたが、教育基本法に則り学校運営を進めると言うことは、実質論議をされることがなくて、『枕詞』になる懸念はあった。」との発言がありました。

 次に、会場からの発言に関して、講演をされた石井さんから、「制定当初は教育基本法は民主運動側は必ずしも前向きに受け止めたわけではないが、50年代に入って、政府自身は『憲法・教育基本法は使えない』ということで、それに違反した法律がどんどん作られてきた経過がある。その時点で、運動の側もあらためて教育基本法を評価してきたという経過がある。そして、教育基本法の形骸化の中で、理念が実質化されないままで、今回、政府の側で『改正するしかない』ということで、今回出されてきた動きになる。 教育基本法の論議の中では、『子どもの権利条約』を共に論議をして、それを『学校の姿の評価』の視点として、そういう作業をはじめていいのではないかと思う。教育基本法と子どもの権利条約と合わせて学校づくりの評価としていく必要がある。」(要旨)と発言されました。

 続いて、元中学校の教師だった方から「中学校の教師をしていて退職して京都へきた。私は教育基本法は、私たちの教育活動の中に生きてきたと確信している。英語の教師だったが、職場も地域も保守的な所で教育研究集会に行くにも差別を受けるようなところだった。夫は、10・21ストに突入して、結婚で私の所へきたが、ただ一人僻地にやられて新婚でも別居生活を余儀なくされた。教育基本法がなかったら、教育実践もなかった。教育基本法で父母に直接責任を負って教育するんだ、と言うことができた。教育基本法の下での実践で、子どもが、勉強が好きになったり、問題行動から立ち直ったりした。指導主事も「うちの子も先生のような授業を受けたかった」という。教育基本法は、小学校・中学校の現場を支え、子どもや教師を支えるためにも大事なもので、ずっと私が20代の時から教師として60で辞めるまで支えられてきたし、そういう先生をたくさん知っているし、守り抜きたいと思う。 」と発言されました。

 また、会場の方から「みなさんの熱気に答えて一言。」とあり、「教員は教育の中で勝負しなければならない。私自身、勤務評定の戦いの中で、成長した。石井先生等の話よかった。今、ここで私たちは何をしなければならないのか。署名活動の中でも、『人間と人間との接点の中で、どういう働きかけが大切なのか』を考えていかなければならない。最近、現場ではこういうことが話ができなくて、言うと排除されることがある。大学人が団結しなければならない。あの滝川事件で負けたのは、大学人が団結しなかったからだ。」との発言がありました。

行動提起   深澤 司さん(教育府民会議)

 集会の最後に、教育府民会議の深澤司さんから「行動提起」が行われました。

 深澤さんは、「定例宣伝を、毎週木曜日夕方に四条河原町で行うなど、府内すべての地域で定例宣伝が始まっている。10月22日(日)には、京都市内で100カ所、京都府全体では200カ所で一斉宣伝を行いたいので、それにも協力をお願いしたい。」と述べ、「廃案」に向けての署名、やビラ配布への協力など、7点にわたっての行動提起を行いました。

(なお9・23「教育基本法改悪反対討論集会」の詳細については、京都教育センター作成の小冊子をごらんください)

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