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生き生きセカンドライフ
風通しのいいパーティとして登る



              市川 迪彦(与謝退職教職員)
 

「セカンドライフを語る? それもそうそうたる人たちに混じって?」

 セカンドライフというとなにか、現職の時とカラリと違って、『マスターズ何十歳の部で新記録樹立!』なんていうのを想像しますが、人間そう大変身できるものでもなく仕事を持っていたころのものをどこか引ずっているものでしょう。学びの時も含め、仕事もその後の活動も一種の『自己実現』だと思います。

 さて私には、そんな大層にお伝えするセカンドライフはありません。ただ上に書いたように「今と教員時代に共通するもの」を書いてみます。いま、宮津与謝・京丹後地域の勤労者山岳会(労山)の代表をしています。今はなくなりましたが、京都教職員登山祭典という事業があり、私は2回目から参加させてもらいました。立山縦走だったと思います。しかも私たちが泊まるはずの山小屋が火事になり、移った山小屋で足と頭を互い違いにして寝る、トイレに立てばスペースがなくなるという強烈な経験をしました。その後も、先輩と一緒に地域の教職員登山祭典にたずさわってきました。祭典が一度も重大な事故をも起こさなかったこともふれておきましょう。そしてこれも山の大先輩にあたる人からの強いすすめで与謝山の会の結成となったものです。登山祭典を通して山の楽しさや、一人一人が自立しながらも、共通の目標を持ってパーティとして団結していくことの大切さや喜びをリーダーたちに教えてもらいました。

 与謝山の会は70名余り、さすがに現役の人は少ないですが、様々な職種を経験した人が集まり、楽しく3000mの山から、地域の、そう大江山や由良ガ岳の山歩きを楽しんでいます。仲間の中には、最近百名山(深田久弥の)を達成した人、海抜0mから歩いてピークをめざす人、野の花、木の花、昆虫にたいへんくわしい人、色々教えられることが多いのです。役員会での登山計画の立案や検討なども、充実した時間になります。「山に登ってみたいが一人では…」とためらう人に公開ハイキングなどの働きかけで登り始めてもらえるのはたいへんうれしいことです。私は山行に参加するつど登山祭典の経験を「『つれていってもらう』はやめましょう」「風通しのいいパーティとして登って下さい」と自分なりのことばで伝えています。 

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