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あせらず、あきらめず、子どもを信じて
 
京都・「不登校」の子を持つ親の会 
                                勝見哲万




会の誕生

 
 いまから二十二年前の一九八二年、京都市教職員組合の呼びかけで「主任手当てを子どもと教育に生かす会」がつくられました。その援助を受けて「親と子の教育センター」 (以下「親子センター」) が生まれました。
 
 このセンターでは、年々増え続ける子どもたちの ″いじめ″ ″不登校″ ″非行″などに悩む親たちの教育相談にのることを、最重要の活動としてやってきました。
 
 一九九六年の四月、「親子センター」が呼びかけて『京都・「不登校」の子を持つ親の会』を発足させました。続いてこの数年後に『子の「非行」に悩む親たちの会』もつくられました。
 
 この何年か前から既に京都教育センターが主催して、府下一円の親や教職員を対象とした 「登校拒否・不登校の克服を考える親と教職員の集い」が年に数回開かれ、講演や分散会などに大勢の人が参加していました。
 
 私たちの「親の会」の毎月一回の月例会にたくさんの親が参加される中で、この「集い」を引き継ぐ形になりました。
 
 またこの数年前、大阪にできた全国組織の「連絡会」に参加し、第三回の『全国の「集い」』が京都で開かれ、その成功に向けて大きな力になったことを喜ばしく思っています。

 
会の活動 (世話人と月例会)

 
 当初、会の運営は「親子センター」の相談員(退職教職員)でやっていましたが、やがて親が主体となり、月例会の司会、受付、会計、会報発送などをする世話人活動に変わってきました。五組の夫婦が世話人(初代代表は古河一秀さん、現在は林敬子さん、事務局は勝見)となりよくやっていただきました。
 
 なお、陰ながら京都市教職員組合から大きな支援をいただいており、感謝のほかありません。
 
 月例会は毎月一回、第四金曜日の夜六時半から京都教育文化センターで開いています。足掛け八年、計八二回の例会で延べ一六〇〇人、月平均二〇人余の参加です。
 
 参加者は母親が圧倒的に多く、次いで夫婦同伴、父親、教職員(元・現)、居場所づくりのボランティアのみなさん、市会議員さん…など。不登校を克服しつつある青年も参加して、その話に参加者は元気をもらったこともありました。

 
「あせらず」「あきらめず」子どもを信じて

 
 この『親の会』は、不登校の子どもの成長や自立を支える親や教職員の集いです。
 一人で悩む親がないように、同じ悩みや不安を共有する者が集まって、語り合い、学び合い、そして「今日の元気」と、「明日への希望」を身につけて行きましょう。(会の「呼びかけ文」より)
 
 参加された親の感想文から二、三抜き出しました(会報で掲載のもの)。
 
 
*ようやく、親の会へ参加できました。かかえている問題が深刻で、ここまでの足取りが重く感じられました。でも参加して、本当によかったと、つくづく思います。
 
*不登校の子を持つ親の悩みは、みんないっしょだと知りました。″あせらず″ ″あきらめず″子どもを信じてゆっくり歩みたいです。
 
*五月の例会に初めて参加し、みなさんのお話を聞いて、子どもをやっと受け入れてやろうと思えてきた。そうしたら、子どもの様子がだんだんおだやかになってきたみたい。でも家でゲームばかりしているのを見るとあせってしまう。机の上にのせておいた教科書もさわった形跡すらないが、あせったらアカンのやなあと思い直す。でもこの一ケ月の間に、私の気持ちも変わってきたよう。」
 
 
   ●連絡先 京都市左京区聖護院川原町4の13
        親と子の教育センター
        TEL/075・771・1150
        代 表 林  敬子
        事務局 勝見 哲万
 
『かかえ切れない悩みでも
話してごらん 軽くなる』
『なおそうとするなわかろうとせよ
わかるとは聴くこと
聴くとは待つこと
待つとは信じること』
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