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125号
【子ども・教育・文化の共同・京都ネットワークのページ】

「教育署名」に託された市民の願いはどこへ

太秦教育を語る会

後藤由美子

◇教育環境を見直すきっかけ

 毎年秋は30人学級実現などの教育署名の季節。私たち「太秦・教育を語る会」でも先生方と協力し署名に取り組んできました。数年前から片面は府・市向けの要求を掲げ、片面は、右京区版、左京区版……と行政区ごとの細かな要求も取り上げた請願書を作ってきました。30人学級や専科教員の配置など共通する項目と共に、それぞれの行政区特有の切実な願いが込められています。
 そして、これを持って署名のお願いにまわると、「あ、そうだね。これ改善してほしいね」「ええ、こんな学校もあるの!?」とあらためて子どもたちのおかれている状況に目を向け、署名をしてくれます。この署名用紙が仲立ちとなって、子どもたちの教育環境を見直すきっかけとなってきました。

◇市民の声を聞いて!

 私は今年初めて、この請願書をもって市役所にいき、紹介議員になってもらおうと、議員控室をまわりました。どなたに紹介議員になってもらうかで、その請願の扱いが決まるとか。ちょっとドキドキ。この請願項目を見てもらって、これだけの人たちの子どもの教育への願いを受け止め、紹介議員になってくださいとお願いする、それとともに、そこに書かれた細かい請願内容を知ってもらいたいと思っていました。
 議員の対応はさまざまで、ていねいに対応してくれる議員がいる一方で、随分とそっけない方もいました。
 なかには、個々の項目に込められた親たちの願いに、「こんな細かいことを何枚もの請願書で出してくるなんて」と嫌そうにしたり、具体的に、学校の机がガタガタだったが予算がなくて取り替えてもらえない話をすると「そんな大事なことの改善に予算がないはずない! そんなことを親にいうのはいったいどこの学校の、なんという先生なんだ?!」と手帳まで出して、詰め寄る議員もいたりして、すっかり気が滅入ってしまいました。
 全体の印象は不愉快でした。私たちが選んだ議員なのにと悔しい思いをしながら、一つひとつの切実な思いに同意して署名してくれた人たちの願いは、いったいどこへ届ければいいのかと、暗澹たる気持ちで家路についたのでした。

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