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  ●京都教育センター通信 
復刊第62
 (2012.3.10発行) 
  「少年犯罪検挙1位」「児童生徒の問題行動・暴力増加」をどう見るのか 
仲間・集団の中での居場所、言語表現の力をどの子にも

        倉本 頼一(京都橘大・立命館大非常勤講師)

 2月17日の京都新聞は「少年の刑法犯検挙数 京都が人口比ワースト1」(府警調べ)と報道しました。万引き、自転車・オートバイ盗が7割と言う。これは昨年8月に文科省・府教委が発表した「調査」結果と関係が深く「子どもの問題行動・暴力」はここ数年増加が続き毎年全国で最多になっています。しかし統計の取り方の違いがあり、順位を比べるのは余り意味がありません。「少年刑法犯検挙数」については同じ京都新聞「取材ノート」(12月14日)で「京都の学校現場が警察との連携を強め」「市教委・府教委とも府警との人事交流が進められ」「府警からの派遣講師が直接生徒に万引き、暴力行為や器物破損指導している」「学校の被害届けで事件化する」等を「安易に警察にたよれば教育は崩壊」と問題提起しています。「問題行動増加・最多の原因・背景と対応」として文科省・教育委の見解はここ数年、

@     規範意識の低下⇒「道徳教育、生徒指導の強化
A     コミュニケーション能力の弱さ⇒対人関係のソーシャルスキル訓練、学校で対話技術練習
B感情のコントロール力の低下⇒感情を抑制する方法訓練

 の三つをあげています。

 私はこのような表面的なことだけでないと考えます。原因の
第1は、過度な競争主義、能力主義、点数での序列化に晒された子どもの苦悩です。「成績の悪いのは努力がたりない自分の責任」と言う自己責任論、「競争に勝つか、負け組みになるか自由競争」(新自由主義)。
第2に
このような教育システムの中で、孤立に追い込まれ自暴自棄になり「どうせオレなんか、頑張ってもダメだ」と苦しみ「ムカつく、イラつく」と他者攻撃暴力に向かう。
第3に息苦しい教育システムやいじめの被害、不安の中で「ダメな自分」と自分を責め、攻撃性が、自分に向けられると集団を恐れ、不登校や引きこもりになり、壊れる自分を守ろうとする。
第4に格差社会は家庭に深刻な影響を与えます。「あなたの為に言うのよ、もっともっと頑張りなさい」と責め、逆に勝ち組にも、その地位と収入を守ろうと子どもにプレッシャーをかけ、親子の苦悩を深めている。

私は次のような3つの課題を考えます。

第一に過度な競争主義のなかで「孤独・孤立・寂しさ」で苦しんでいることを理解し、子どもと子どもをつなぐ、友達、仲間関係を尊重する。成績だけで子どもを評価せず、1人の人間として尊重する。
第二に
そのため、日常的な学級での話し合い、取り組みを大切にする。行事を形式的でなく、人と交わる力をつける少年期に地域、異年齢集団、自然のなかの集団遊び、前・思春期の高学年・中学生の自治活動を充実させる中でどの子にも居場所をつくる。(豊かな集団活動と存在位置)
第三に
子どもが感情的に暴言・暴力・問題行動に走るのは「規範意識」「抑制力」が弱いことが原因もしていますが、それらの根底に「言語思考、言語表現力」の弱さがあります。特に最近「自由に自分の思いや生活を書く」力が弱くなっています。それは国語の学習から作文の時間が無くなっているところから来ています。「お礼の文」「資料発表の文」「○○の作り方」など形式文しか書かないのです。過去の生活と言動を振り返り思いを綴る作文・手記、日記、生活ノート、自己主張文などの実践と、家庭で子どもの話に耳を傾け暴力でなく言葉で語り批判できる力を育てることが本当は重要ではないでしょうか。

   
1年生のお話マット

           京都市・小学校     松元 若菜
   


1.はじめに

 「お話マット」の良さは,一つ目に,「クマさん」「ラッコさん」「ウサギさん」などの動物になりきることで,子どもたちには動きのイメージがしやすくなります。低学年であれば,すぐに照れはなくなり,お話の世界に入り込みます。動物に例えるだけでいいので,教師の指示も短くて済みます。

二つ目に,「お話」の中に,すでにいくつかの技が組み合わされています。しかも,導入のお話「くまさんがやってきて,転んだよ。はい,ポーズ」からして,技の系統の分かれる「腕支持系の動き=動物歩き」と「回転系の技=転んだよ」が両方入っているのはとても魅力的です。安定の状態(=支持系の動き)を崩して,不安定な状態(=回転系の技)へともっていくのは,倒立前転にもつながる流れではないでしょうか。これは,お話マットという教材のもつ価値の一つだと思います。次の技への発展がよく考えられています。学年が上がると,「クマさん」のお話をもとに,支持系と回転系,さらにはジャンプ系・バランス系の技を組み込んで,自分たちで好きなお話=演技をつくっていくこともでき,楽しみながら演技構成ができます。

 三つ目に,グループの演技者以外の子が,「お話」を声に出すことについてです。この「お話」は,体操競技の床運動でいう音楽の役割を果たします。先に,個人の表現について述べましたが,技や動きを「お話」に合わせられれば合わせられるほど,その動きや技をよく習得できている,体を自分の意図通り操作できているということになります(コントロール力)。「お話」に合わせられたかどうかは,演技者にとって演技の完成度を知る目安となります(単一の「技」にとどまらない「演技」の「できばえ」)。さらに演技者にとっては,「自分はみてもらえている(注目)」ので,一人きりで練習(大勢のなかにいるとしても)するのに比べ,やる気・集中力が高まると考えられます。

 最後に,上手な子もそうではない子も同じグループで学習することで,子どもたち同士,学び合い,教え合う関係が築かれていきます。方法,教えるポイントが分かれば,子どもたちは自分たちで学習を進めることができます。「分かる」ことで,マットが上手ではない子も教える立場になることがあります。「みる目」が身についてくると,「どうしてできないか,どうしたらできるようになるか」を考え,教えることがとても楽しくなり,教えた結果,友だちができるようになることは,子どもたちにとってても嬉しいことです。

2.子どもたちの実態

 入学してからというもの,児童が、学校に不適応を起こしたりいたずらを繰り返したりし,そのいたずらに他の児童も加わって,担任としてはとても手を焼いていました。なかなか落ち着かず,叱ってしまうことの多いクラスでした。全体で言えば,女子に比べて男子に早生まれが多く,マイペースであったり,ぼんやりしていたり,文字の定着が遅いことに始まって学習の理解が難しかったりと,幼い子が多かったです。夏休みが明け,その少し幼い男の子たちを,小学校生活に慣れてきたしっかり者の女の子たちがリードするようになってきました。

 体育について,「マットあそび」の前の単元,「鉄棒あそび」では,体操教室に通い,逆上がりやこうもり下りのできる子から,逆さの感覚にパニックになり怖がる子まで,運動経験の差が大きかったです。

3.指導計画

 時 学習内容 
 0

雨の日の体育館割り当て

・歌に合わせて動物歩きをしてみる

(☆手の平全面をつけること,顔を上げて背中を伸ばした状態にすること)

・他,カエル倒立や,手押し車「♪おつかいありさん」など
 
 1

オリエンテーション

・場の設定の仕方,安全な練習の進め方,準備運動について知る         

☆マットの持ち方。シールに合わせてマットを敷くこと。

  自分が終わったら,必ずマットの状態を確かめて整えてから「はい,どうぞ」と言う。

前の人が「はい,どうぞ」と言ってマットを出てから,マットに乗る。

  ☆マットのどちら側を通って戻ってくるか。並び方,待ち方。

  ☆準備運動の面白さ,パターン化(※毎時,子どもたちだけで進められるように)

  ☆準備運動では,背中の柔軟「変なポーズ」も欠かさないようにする。

・準備運動の「ゆりかご」をみんなで何度も何度も練習する

(1人→2人→グループ全員で※声を出しながら。「よっこいしょ」でなく「シュタッ」とすばやく起き上がるように言う。)

・横転がり,横転膝立ち,横転足裏立ち,カエル倒立,コーヒーカップ,ブリッジ,ブリッジ前後歩き,ブリッジその場回転,ブリッジの片足上げ等,たくさんの動きをして楽しむ。

・ポイントに気をつけて色々な動物歩きをする

 (クマ,キリン,ラクダ,ワニ,アザラシ,尺取虫,ラッコ)

・自分たちで考えた動物歩きをしてみる

  ☆手で支えるものに限る 
 2

前転を取り入れたお話マットの演技を練習する

・準備運動(とくにゆりかご),カエル倒立など前時のことを少し復習する。

・クマさん歩きの復習(※手の平パーでしっかり着く,手を見る=顔を上げる,腰を頭より高く)

・クマさんで腰を高〜く上げさせたところから,へそを見させると数人前へ転がる子が出てくる。

  ↓

 支える背中(まっすぐ)と転がる背中(丸く)の説明

クマさんがのっしのっしとやってきて,ころんだよ。はい,ポーズ!のお話に合わせて演技してみる

       手の平や,顔,腰,そして転がる前には強く蹴らないように声かけする。

後転のポイントを考え,挑戦してみる

☆転がる背中(丸く)であることを押さえ,へそを見ればよいとアドバイスする。

☆手の平は耳の横で上向きに構え,マットに触れたら押し続けるようにする。

☆最初は,頭を越えることを課題にし,ひざからマットに下りてよい。

頭越えができたら,足の裏からマットに下りることを課題とした。
 
 3

後転を取り入れたお話マットの演技を練習する

・後転,ラッコさん歩きのポイントを確認し,練習する

☆ラッコさん歩きでも,腰を高く上げることによって手にしっかりと体重をのせることができる。

  ☆ただし,ラッコさん歩きから後転へは,スムーズにつなげられるものではないので,後転の前に,構え直す間が必要。

ラッコがぷかぷかやってきて,もぐりんぱ。はい,ポーズ!のお話に合わせて演技してみる

 

いろいろな腕支持系の動きに触れる

・カエル倒立競争,ウサギの足打ち何回できるかな,ロバキック,ウサギ跳び,ウサギの川跳び,川跳び側転

  ☆ウサギの足打ち以降の動きでは,@腕を曲げないこと,A手を見て顔を上げることの2つを守れば絶対に顔から落ちることはないと伝える。動物歩きを発展させた感覚。体重が,より腕にかかってくる。

  ☆ひざやすねから落ちる子は多いが,頭を守ることを優先してマットを敷く位置を決める。

     ☆ウサギ跳びは,手・足・手・足のリズムで。

    

腕支持を取り入れたお話演技に挑戦する
ウサギがぴょんとはねました,クルリンパ。はい,ポーズ!…ウサギ跳び2回から,川跳び,または川跳び側転,または側転
3つのお話演技の中で,一番上手にできる演技を発表する

       第3時では前転の練習をしていないが,最後に仕上げの演技をするときには,ウサギのお話演技に,前転を組み合わせてもよいことにした。

 4

3つのお話演技を発表する

  クマさん歩き,クマさんのお話演技を復習する。

  →クマさんがのっしのっしとやってきて,ころんだよ。はい,ポーズ!

・ラッコさんのお話演技を復習する。
  →
ラッコがぷかぷかやってきて,もぐりんぱ。はい,ポーズ!

・腕支持系の動きの練習をする。
  腕支持を取り入れたお話演技の練習をする。

  →ウサギがぴょんとはねました,クルリンパ。はい,ポーズ!
 

4.授業を終えて


 動物歩きの腕支持のポイントがどの子にもしっかりと理解され,怖がることなくウサギの足打ちやロバキックに挑戦している様子が見られました。2年生以降,あとの技へつながっていくことと思います。

 全4時間の盛りだくさんの授業でしたが,「お話を」声に出し,また,次に学習することを楽しみに,みんな取り組みました。授業への全員参加は,やはり

「お話マット」という教材の持つ魅力だと思います。

また動物歩きのときの友だちの手の平を注意するために声かけしたり,実際に直すために押さえに行ったりする様子が見られました。また後転の頭越えのタイミングで補助を試みる子も多かったです。これからも新しい教材研究をしてとりくんでいきたいです。

(この報告は要旨です。全文が必要な方はセンターまで)

   
 

京都教育センター2011年度の主な活動報告

 

T.活動の指針

(1)〈基本〉50年の節目を経て、改めてセンター設立の理念を想起しながら、今日の新自由主義による教育改革の問題点と矛盾を明らかにし、新たな教育のあるべき方向を提起していく。

(2)センター設立の経緯と理念を再学習する。

(3)学習指導要領の全面実施(小)、移行実施(中)にあたり次の課題にとりくむ。

@    小学校学習指導と学習評価のあり方を検討し提起する

A    中学校教科書の内容検証と公正で民主的な採択のとりくみを共同してすすめる

B    教育課程編成と結びついた学校づくりをすすめるための指針を提起する

(4)京都における高校教育の課題を検討し、提起する

(5)地域と教育の関わりを検討し提起する(地域での子育て運動、子ども・父母・教職員をつなぐ)

(6)各研究会のあゆみを総括し発展させることをテーマとした研究討議の推進

(7)各研究会の主体性を堅持しつつ、事務局として位置づける公開研究会(重点課題)にとりくむ

(8)事務局体制の強化と会議・学習会の充実を図る。実務遂行の事務局体制を強化する。

U.活動報告           

1.第42回京都教育センター研究集会

・「3・11」の震災・原発問題を課題として12月24日(土)〜25日(日)〈教文センター〉の二日間開催しました。

・『3.11 子どものいのちと教育』をテーマにして、全体集会では、安斎育郎氏(安斎科学・平和事務所長)をお迎えし、「原発・放射能問題と真理・真実」と題した記念講演を行いました。

講演に先立つパネルトークでは、大貫昭子さん(福島県立原町高校)、澤田季江さん(新婦人府本部)をパネラーに本田久美子さん(教育センター)進行のもとに「福島の現状からいのちと教育を考える」討論を展開しました。 〈講演、パネルトークの記録は別項参照〉

全体集会の参加者は121人と昨年の記念集会に匹敵する近年最高の参加数で、焦眉のテーマへの関心の高さを伺わせました。特に例年に比して現職教職員の参加が増え(52人)、京教組としてのとりくむ構えが反映されましたが、他団体や他府県からの参加は市長選などのとりくみとも競合し予想を下回りました。

・二日目の分科会は8会場で開催され、発達問題研は独自開催出来ませんでしたが、今回から「障害児教育センター」が主管する分科会がもたれました。

 分科会の参加者は132人(昨年121人)と近年では最多の参加数になりました。分科会ごとでは10人〜30人のばらつきが見られるものの、ここでも現職教職員の参加が51人と例年を上回ったことは特筆すべきことでした。なお二日間の完全参加者は56人でした。

福島の子どもと学校への「復興支援カンパ」が会場で約10万円集約され、大貫さんに託しました。

  一日目の夜に恒例の「交流懇親会」を教文センター1Fで開催し、23人の参加で大貫さんを中心に交流を深めました。

  協賛企画として同時開催された「文化と絵画展」にも多くのセンター研参加者が合間を縫って観賞しました。

2.公開研究会の開催

 事務局が各研究会とリンクして企画準備した公開研究会についてその概略は以下の通り。

(1)「中学生からの『地・生・域』づくり:吉田武彦さん」(発達研)6月25日12人


(2)「国語の基礎・基本的な学力とは:西條昭男さん」(学力研)   7月3日 14人

(3)「授業料無償化で京都の高校は:長尾修さん」(高問研)   7月18日 24人

(4)「エンカウンター方式でのカウンセリング」(カウンセリング研)7月24日17人

(5)「子どもの発達と地域活動:棚橋啓一さん」(地域研)       9月25日 10人

(6)「不登校・ひきこもりに相談者としてどう立ち向かうか:高垣忠一郎さん」

10月10日 53人

*この企画については「民主カウンセリング研:庄田さん」「登校拒否・不登校を考える連絡会:林さん」「教育相談者:倉本さん」の3者と高垣さん、大平事務局長で3回の打ち合わせを経て実施されました。 〈高垣講演の要旨は別項参照〉

(6)「子どもの発達と地域活動:棚橋啓一さん」(地域研)     9月25日 10人

(7)「高校生に明日につながる学習をとりもどす:中井秀樹さん」(生指研)

11月26日 14人

3.教育研究集会・民教委などへの参加

  第61次京都教育研究集会(「教育のつどい2011」)(11/19〜20:同志社大新町学舎)には共同研究者として二日間でのべ58人が参加し各分科会での任務を果たしました。しかし、「外国語」「技術・家庭」「幼年教育」「文化」の分科会には未配置となりました。

  民主教育推進委員会には29人(5/22)、28人(9/10)、27人(11/12)が参加しました。

  8月の「全国教育のつどい(千葉)」、12月の「全国民研集会」にも代表参加し、大阪教文センターとの意見交流も行いました。(6/27)

4.教育共同のとりくみ

(1)教科書採択問題

 中学校教科書採択に関わって、とりわけ「歴史」「公民」教科書で歪んだ歴史観で編集された「育鵬社」「新自由社」の採択を許さないとりくみを「教科書連絡会議」(3月以来18回)に結集して展開しました。これらの採択を執拗に迫る反動勢力に抗しての府市教委への申し入れ、署名文書・ハガキ、議会傍聴、街頭宣伝、学習会などにも可能な限り参画しました。

 また、センター独自に教育関係者への「2社の採択に反対する緊急アピール」賛同をよびかけ、僅か一週間で約70人の賛同を得て、焦点になった京都市教委に届けました。〈アピール文、賛同者名簿などは別項参照〉

 結果、全国的には「育鵬社」版が大幅増の採択が見られましたが、京都では6つのどの採択区でも他社の教科書が採択されました。このとりくみを通して、原発・放射能記述や採択制度の民主化、閲覧機会の拡大などの問題点が明らかになり今後の課題となりました。

(2)「教育・子育てネットワーク」など

 京都市教組が主管するこのとりくみに可能な限り参加し、毎月の例会・学習会には教育センターのとりくみを啓発するとともに、他団体のとりくみから学びました。また、給食食材の放射能安全検査を求めて京都市などへの申し入れにも参加しました。

 その他、「教育府民会議」「会館内教文会議」にも参加し、大阪での異常な「教育条例」の制定を許さない運動にもとりくみました。

5.季刊誌「ひろば・京都の教育」の発刊

・166号(5/18)  @おもしろいけど疲れる日々−今、実践に生きる
                 A部活動を考える−その現状と課題
・167号 (8/8)  @震災・原発と教育   A中学校教科書問題
・168号(11/9) @安全で豊かな「食」と子どもの育ちA京都市の教育を糺す
・169号(2/15) @地域で育つ子どもたち  A青年期の学びと生き方 

※各号の特集や執筆者を検討する編集会議(西條、倉本、本田、大平)を4回開きました。

 定期購読者は約1000人近くを維持しているものの、退職に伴って購読を中止される方が増え、減誌分を上回る拡大を現職教職員を中心に薦めることが課題となっています。

6.「センター通信」の発行

 復刊6年目に入り、教育研究や実践の自由が大幅に制約されてきているもとで、掲載された実践報告は読者に感銘を与え、楽しみにしている組合員などが増えてきています。

 1年前に編集過程での問題を起こし、関係者などに迷惑をかけた反省に立って今年度は精査した編集を心がけ月刊での発行を続けました。

 地域や経験年数などを考慮した幅広い実践者の執筆が課題となっています。

〈2011年度執筆者一覧〉

53号 

土肥信雄/戸谷嘉之(宇中)

58号 

藤原ひろ子/藤原ひろ子

54号 

大八木賢治/市川章人(府高)

59号 

得丸浩一/掘 信子(市小)

55号 

本田久美子/市川章人(府高)

60号 

清水和代/安斎講演

56号 

林 敬子/吉田武彦(福中)

61号 

大平 勲/澤田 樹(市中)

57号  関口久志/細田俊史(市小)  62号  倉本頼一/松元若菜(市小) 

7.出版活動

(1)50周年記念誌「風雨強けれど光り輝く」は各支部教組などの協力で一定の販売普及をみているものの、残部数の普及に一層努めなければなりません。

(2)一昨秋刊行した早川幸生著「京都歴史たまてばこ」(「ひろば」連載)も書店での普及があるが残本の普及に努めます。

 *現在、京教組などと共同して「原発・放射能」テキストの作成にとりくんでいます。

8.研究活動

 「障害児教育センター」を新たに加えた9つの研究会がそれぞれ独自に研究活動を展開しています。年間3回の拡大事務局会議でそれぞれの報告と交流を行いました。

9.H.P.の更新と資料室の整備・活用

 2004年1月に開設されたH.P.は担当者の都合により更新が遅れがちになりましたが、閲覧は一定のペースですすんでいます。

 また、関係者の尽力により資料室の整備がすすみ、若手研究者グループや卒論・ゼミなどの資料検索、閲覧に全国から研究者・学生が訪れています。

10.事務局会議

 
事務局会議は(15人構成)は毎月2回(第2、第4土曜日)のペースで下記の日程で22回開催され(平均出席率約80%)、企画検討会議(月一回:野中、築山、大平)も12回開催されました。

@    4/9(12人),A4/23(10人),B5/14(11人),C5/28(11人)D6/11(10人),E6/25(12人),F7/9(12人),G7/26(15人),H8/13(9人),I8/26(15人)J9/10(13人)K9/24(9人)L10/15(10人)M11/12(12人)N11/26(12人)O12/10(10人)P1/14(11人)Q1/28(9人)R2/12(10人)S2/25213/10 223/24

・今年度から第4土曜日を「学習会」と位置づけ9回実施しました。

4/23:「学校現場レポート」浅井定雄   
5/28:「ひろばの改善」西條昭男

6/25:「センター設立の経緯」山本正行
7/23:「原発と教育」小野英喜
8/26:「センター提起の三原則」野中一也
9/24:「土曜活用問題」築山 崇

10/15:「評価問題」野中一也
1/28:「京都市の教育」本田久美子

2/25:「京都の高校制度」長尾 修 


  各研究会事務局担当も加わった「拡大事務局会議」は次の日程で3回開催され、各研究会のセンター研企画やとりくみ交流を中心に議論しました。

  @9/24(13人) A11/26(17人) B3/24(予定)

  とりくみや集会、「ひろば」「センター通信」発行などの企画、準備、運営、編集などにあたっては事務局長の負担が大きく実務体制を強化する必要があります。

  元事務局メンバーの藤原義隆さんが7月に逝去され、11月20日に京都民教連、学力研、教科研などとともに「偲ぶ会」(29人参加)を行いました。

11.事務局体制

代表:野中一也
研究委員長:築山 崇
「ひろば」編集長:西條昭男
事務局長:大平 勲
事務局員: 高垣忠一郎  市川 哲  倉本頼一  高橋明裕 中須賀ツギ子 倉原悠一  浅井定雄  中西潔  本田久美子  相模光弘  細田俊史  長尾 修

 
 
子どもたちに確かな判断力をつけるために

★原発・放射線をどう教えるか

B5版 102ページ

第一章 原発・放射線の授業テキスト&解説・資料
第二章 文部科学省作成の「放射線副読本」と教科書の問題点
第三章 授業実践の例


発行 京都教職員組合
編集 京都教育センター
2012年6月発行 500円(送料別)
申し込みは、京都教育センター事務局まで 
 

民主府政「落城」後、30余年の「京都の教育」を検証
★京都教育センター編『風雨強けれど 光り輝く 検証!京都の民主教育1978〜2010』

 「風雨強けれど 光り輝く」は、民主府政「落城」の1978年以来30余年間の京都の教育の変遷をまとめたもの。厳しい攻撃が相次いでいたが、「やられっぱなしではない!」この間のたたかいをまとめました。8人の編集委員〔野中一也・大平勲・小野英喜・中西潔・磯崎三郎・高橋明裕・松尾隆司・西條昭男〕が昨年の9月以来合宿を含め14回の編集会議を重ねて刊行しました。この間のたたかいの中にみなさん方の足跡が反映されています。是非、手にとってお読み下さい。


季刊『ひろば』の人気連載から37編を厳選・加筆
★早川幸生著『京都歴史たまてばこ』

 「京都歴史たまてばこ」は早川幸生さんがこの間『ひろば』に連載された中から37編を加筆編纂されたものを集めたものです。調べ歩いた京都の風物詩に引き込まれること請け合いです。

*2011年1月から、京教組各支部書記局で求めることができます。
*また、申し込み用紙(PDF版)にご記入いただいて、ファックスでお申し込みいただくこともできます。

京都教育センターホームページにアクセスを

  http://www.kyoto-kyoiku.com  検索「京都教育センター」

 京都教育センター事務局や公開研究会の活動をはじめ、センター通信、季刊「ひろば・京都の教育」、教育センター年報、研究集会、教育基本法に関する様々な資料など、多彩な情報を提供しています。

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