「発達問題研究会」は6月25日に公開研を開催しました。「教科書シンポ」などの取り組みとも競合し参加者は多くありませんでしたが、吉田武彦先生(福知山市立川口中学校)の30年に及ぶ地域に根ざした感動的な実践報告にじっくりと「はまる」ことができました。
◎報告内容はセンター通信次号で詳しく紹介しますが、吉田先生の足跡は次のようにまとめられました。
○ 周山中では:サッカー部OBを集めて「京北蹴球団」を結成。地域をサッカーの町にと10年間。
○ 和知中では:近畿青年洋上大学に参加し中国留学生を招待。同和地域加配として発達の観点で実践。
○ 綾部中では:「ふりそでの少女像」建立運動に参画、丹波地域の戦争関連遺構探索や舞鶴朝鮮学校との生徒会交流。
○ 東綾中では:地域の中高生の組織「楽学塾」を結成し、「口上林地域マップ」を作成し全戸配布。地域の伝統的なまつりに中高生と共に参画。舞鶴朝鮮学校と6年間相互訪問。
※ 当時の実践をまとめた出版物 『水源の里 綾部で文化を紡ぐ』 (かもがわ出版¥1500) センターまで
○ 日新中では:管理統制の強い職場にあっても「ゴーヤの栽培」で地域朝市と交流し、冬の「鮭のとりくみ」にも発展。夏休みの社会科課題で地域聞き取りを課し「地域まるごと博物館」で発表。(地元新聞などで話題に)。押し付けの「キャリア教育」に抗した地域の著名人による「ワクワク講座」での進路学習実践。
○ 川口中では(今春から):ナガサキ修学旅行に初めてとりくみ、校区全体から折り鶴回収。
●吉田先生は福知山教組の提起にも応えて学校統廃合問題にも地域住民の視点で取り組んでおられます。
荒れた学校や校内の管理統制でやりたい実践が制約される中にあっても、一貫して地域に根ざした「教師魂」を貫かれています。その姿勢は、今日の新自由主義教育で閉塞感が漂う中で学校という閉鎖した社会を地域から見直して生き生きと実践する展望を指し示されています。60年代の「方民」提起の「教師の三つの任務」を想起させる実践報告でした。[文責 大平]
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