京都教育センターでは、定例の事務局会議を3週間に1回程度の割合で開催しています。この中では、教育をめぐる情勢の分析や、当面する教育課題、教育センター活動の具体化などが検討されています。その議論の一端をご紹介します。
◇事務局メンバー
代表:野中一也(大阪電気通信大学名誉教授) |
同 :倉原悠一(元公立高校教師) |
事務局長:大平 勲(元公立中学校教師) |
同 :倉本頼一(立命館大学) |
事務局次長:中西 潔(元公立中学校教師) |
同 :高垣忠一郎(立命館大学教授) |
研究委員長:築山 崇(京都府立大学教授) |
同 :高橋明裕(京都教育センター) |
「ひろば」編集長:西條昭男(元公立小学校教師) |
同 :得丸浩一(市教組教文部長) |
事務局員:浅井定雄(元公立小学校教師) |
同 :長尾 修(府高教文部長) |
同 :東 辰也(京教組教文部長) |
同 :中須賀ツギ子(元公立小学校教師) |
同 :市川 哲(京都教育センター) |
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(以下は、4月3日、24日の議論からの一部を抜粋したものです)
◇教育をめぐる情勢について
@教科書検定
文部科学省が新教科書の検定結果を発表したのを受けて、その検討が行われました。神話など新教育基本法の具体化が盛り込まれ、竹島の記載など注意しなければならない問題も多々あるとの指摘がありました。また、ページ数が大幅に増え、授業時間も増えることにより小学校でも一日5〜7時間の授業が予想されるなど、現場の多忙化と子どもの疲労がさらに進むのではないかと危惧されます。同時に採択にあたっては現場の声がほとんど反映されないシステムでになっているなどの問題があります。
A少人数学級
また先に行われた京都府知事選において現知事は、「少人数教育」の実績を打ち出したが、制度的には京都府が国の基準の40人学級定員のままであることの問題点や、さらに民主党政権の下で教員数増加の可能性も開かれているなどの点の指摘もありました。
B全国一斉学力テスト
そして4月20日に行われた「全国一斉学力テスト」についても検討が行われました。今回は悉皆(しっかい)調査でなくなり、35%抽出となったにも関わらず、現場では「手を上げさせられて」参加を申し込み、京都府下では80%を超える学校が参加、さらに京都市では100%参加という異常なことが行われています。そして現場では、4月の新学期に入ってから、現場では府のテスト、学校独自のテスト、全国テストなど、「テスト浸け」になってる姿が報告されました。
C児童虐待
さらに、新聞記事などをもとに、今日の子どもたちをめぐる情勢についても話し合われ、特に「虐待」の問題が深刻化していることが報告されました。最近、マスコミでも多く取り上げられていますが、今日の社会情勢を反映した深刻な事態が生まれており、貧困が家庭崩壊や夫婦間の人間関係を破壊したり、心身の病気を引き起こしており、家庭での子育て環境が急速に悪化してきている現状が話し合われました。特にそうした事態に対して、役所、児童相談所、学校、保育所などが事態把握と対応、家庭支援に有効な手立てが打てていないし、それを保障する体制そのものが崩されていっていることが大きな問題として指摘されました。
D高校問題
高校通学圏の再編が行われ、また大学入試によって高校をランク付けする動きが強まる中、高校生や父母の声を反映した高校教育をどのように実現するのか、突っ込んだ議論が行われました。私学においても大学の附属化(系列化)が進んでいる問題や、各校で「進学実績を上げる」ために、どのような状況にあるのかが報告されました。また、我々の目指す高校教育のあり方についても議論が交わされました。
◇当面するセンター行事の取り組み
京都教育センターでは、当面次のような取り組みを企画しています。事務局会議では、各研究会活動の報告とともに、それらの取り組みについても話し合われました。
〇5月8日(土)14:00~ 生活指導研究会例会 (中学校実践)センター室
〇5月12日(水)「ひろば」編集会議
〇5月15日(土)10:00~ 事務局会議
〇5月15日(土)14:00~ 発達問題研究会例会
〇5月23日(日)10:00~ 民主教育推進委員会
山本由美氏講演(午後)
〇6月 5日(土)10:00~ 事務局会議
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