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地方教育行政研究会
 2005年度研究会活動の経過と概要
市川 哲(京都教育センター)
 


本年度の活動の経過は以下の通りである。


1. 2005年4月23日 第1回(2005年度)「地教行研・京教組共同学習会」

    テーマ:「教職員評価制度」
      ●講演「『教職員評価制度』のねらいと問題点」:中田康彦氏(一橋大学)
      ●京教組からの提起:梶川 憲氏(京教組)
     ●試行校からの報告
       ○宇治市小学校
       ○舞鶴市小学校
       ○府立高校

2. 2005年6月18日 第2回「地教行研・京教組共同学習会」

   テーマ:「京都における『教育改革』の動向」」
      ●問題提起「『教育改革』を俯瞰する―何がめざされているか?―」:市川 哲氏(地教行研)
      ●各地域からの報告
       ○宇治市の「小中一貫校」構想
        ○乙訓地域の学校選択・学区の自由化問題 
       ○八幡市の学区再編、「学力」問題

3. 2005年8月28日 第3回「地教行研・京教組共同学習会」

   テーマ:「経済界や文科省は義務教育をどのように変えようとしているのか?」
      ●問題提起:「中教審答申、日本経団連の『提言』等のねらいや問題点と私たちの課題」市川哲氏(地教行研)
      ●各論「『教育改革』の批判と分析」
        ○報告「学校選択、義務教育弾力化の問題点」:東 辰也氏(宇治久世教組)
        ○報告「義務教育費国庫負担制度と教職員定数」:新谷 剛氏(京教組)
       ・京都教育センター第36回夏季研究集会第6分科会も兼ねたものである

4. 2005年10月29日 第4回「地教行研・京教組共同学習会」

   テーマ:「『教育改革の批判と分析』―中教審答申及び教育委員会制度」
      ◆特別報告「フィンランドの教育」:本庄孝夫氏(京都府議会議員)  
      ●報告「中教審答申の内容と問題点」:梶川 憲氏(京教組)
      ●各論「教育改革」の批判と分析
       ○「教育委員会制度改革・教育行政の在り方」・・・横井勇次氏(府職労教育支部)
       ○「フィンランドの教育と習熟度別の是非」・・・東 辰也氏(宇治久世教組)

5. 京都府政研究会教育部会の活動に協力し、シリーズ京都府政研究2006『安心と共同の教育―子どもたちと未来のための提案―』(つむぎ出版、2005.12、500円)を出版した。

 その内容は「第1章 どの子も生き生きと学ぶ小中学校教育のために」「第2章 学ぶ力と進路を保障する高等学校教育のために」「第3章 どの子の発達も保障する障害児教育のために」「第4章 子どもや府民のための教育委員会と教育予算のために」「第5章 学びと発達を保障する教育条件整備のために」「第6章 府民とともに歩む大学教育のために」という充実したものであり、京都府下は言うに及ばず、各地で学習や政策活動に活用することが期待される。

 ここ数年取り組んできた京教組との共同学習会(今年度は第4期)を中心に置いて活動した。内閣府の経済財政諮問会議等を通じて新自由主義的な教育改革に大きな影響を与える財界の「教育提言」とそれに追随する国、文科省の教育政策の分析をはじめ、「教育改革」の進行にともなって京都府でも全校試行の段階に入った教職員評価を含む京都府の「教育改革」に焦点を当て、学習した。合わせて2004年末の国際的な学力調査の結果によって注目されているフィンランドの教育について、現地調査を踏まえた報告をもとに、この国と京都府の「教育改革」の問題点を浮き彫りにしつつ学習、検討した。

  2005年度に開催した4回の合同学習会の参加者は、14名から90名であり、テーマによってばらつきがあるとはいえ、共同学習会として着実に定着してきているといえる。なお、学習会の事前および事後に事務局会議、および京教組との打ち合わせを適宜行っている。

2006年度研究活動の方針


 2006年度は京教組と共催の連続「共同学習会」を第5期として継承、発展させ、インターネットも活用しながら成果を何らかの形で残す活動を展開することを目指す。

  内容的には「教育改革」と深く切り結びつつ、教育運動にとっても焦眉の課題である「団塊の世代問題」や「青年教職員問題」、研修機会としてのサークル問題についても大胆に検討を加える予定である。開催のあり方としては、より多くの参加者を組織すること、府下の地域課題や府政研教育部会作成のブックレットの普及、活用と結びつけた「出前学習会」に取り組むことなどに努力したい。

  また「共同学習会」の内容や研究会による調査活動の報告、教育改革や教育運動に関する資料、会員を中心とする論考の掲載を目的に、京都教育センターのHPを利用した「WEB研究会誌」(仮称)の発行を、今年度新たに目指す。

 2002年度から会員への連絡をメールに一部切り替え、連絡事務の合理化をはかっている。さらに必要な合理化を進めるとともに、新しい会員の獲得や研究会活動への参加に向けて努力したい。


研究会員と体制 


1)代表者   室井 修(近畿大学)
2)事務局   市川 哲(京都教育センター)
3)会員     略
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