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家庭教育・民主カウンセリング研究会 2010年度活動のまとめ 光木和子(家庭教育・民主カウンセリング研究会事務局) |
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1,2010年度のまとめ 国民の大きな期待を担って発足した新政権は予想を上回るだらしなさではや揺らぎかけています。私たちの生活は景気の低迷が続き雇用情勢も悪化し、医療・福祉・教育の分野でも貧困化が進む中で、明るい見通しがたたないのが現状です。 自殺者が昨年もまた3万人を超え、生活苦や人間関係のトラブルによる悲惨な事件が後を絶たないのも、先の見えない不安感・閉塞感からくるものでしょう。 貧困や格差を生み出す社会構造の中で、子どもも青年もそして大人も、「生きづらさ」を感じながら生きています。 こんな状況だからこそ、人と人とのつながりの大切さ、お互いに育ち合う人間関係を作るカウンセリングの必要性は高まってきていると思います。 当研究会では、7月の公開研究会と12月の研究集会の分科会と、二度のエンカウンター・グループを開催しました。 1日だけのグループですが、初めて体験される方も含めて、その日集まったメンバーで創り上げられる非日常の空間に身を置いて、そのときそのときの新鮮な気持ちの交流を体験してきました。 また定例の研究会として、グループ・カウンセリングを11回と、理論研究会を9回持ちました。 日常生活の中で抱える個々の悩みや問題を出し合い聴き合い、ゆったりした時間を過ごしています。個人カウンセリングは2名のカウンセラーで延べ69日、延べ137人実施しました。毎週金曜日にセンター室を利用させていただき定着した活動が続けられています。 2、活動の経過 第1金曜日 個人カウンセリング 第2金曜日 グループ・カウンセリングと個人カウンセリング 第3金曜日 個人カウンセリング 第4金曜日 理論研究会と個人カウンセリング 理論研究会では、昨年度に続きロジャーズ全集の中から「人間関係論」(畠瀬稔 編訳)の第1部、「いかにして援助的関係をつくるか」を学習しています。単に理論の学習だけでなく、参加者の体験と結びつけ思いを共有しながら、ゆっくり時間をかけて進めています。 また、「親と子の教育センター」とも有機的に連携し、教育センターや教職員組合の研究集会に参加したり、「不登校の子を持つ親の会」・「子の『非行』に悩む親たちの会」にも参加するなどして活動を多方面に広げていくようにしています。 3、2011年度の活動方針 貧困・格差を生み出す社会構造からくる生活の不安定さは、子どもにも青年にも大人にも「生きづらさ」を増幅させていきます。効率化、利便性を追求する社会に自分を無理やり適合させようとして、子どもも大人も「自己肯定感」・自分の存在そのものが承認され許されているという実感を持ちにくくなっています。そして孤立感を深めたり人間不信に陥ったりして、悲惨な事件のニュースも他人事と思えない、誰しもわが身に起こりうると考えられる状況があります。 その反面、人と人とのつながりから受ける暖かさに心を満たされる経験も大事にされ、人間関係を豊かなものにしていこうとする思いも強まっていると思います。教育や福祉、医療など弱者に厳しい施策が進められて、生活が苦しくなる一方で、人間性を取り戻そうというやむにやまれぬ欲求が、今まで以上に人々の心を結びつける可能性が広がっているともいえます。 人と人との心のつながり、お互いに育ち合う人間関係をますます深めていくために、当研究会が役に立ち力を発揮できるように活動を進めていきます。親と教師が手を携えて、真に人間が大切にされる社会・教育に寄与するために、2011年度も昨年度と同様の活動を計画しています。 4、研究会体制 ・代表者 勝見哲万 ・副代表者 山下正子 ・事務局 芦田幸子 梅澤博子 庄田節子 原木とし子 平本喜美代 光木和子 ・会員 (略) |
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