トップ 教科教育
京都教育センター          2010.12.1

     
教科教育研究会・国語部会通信

         編集・発行 教科教育研究会国語部会(会員用:部内資料)       

              第 45 号


今、国語教育についての 深い論議を
      − 国語部会の活動にぜひ参加を −


 改定学習指導要領が本格実施を迎え、教科書が変わる中、国語教育の変質がさまざまに明らかになってきている。しかし、半面、具体的な変質がどのように現れてくるのか、それはまだまだ見えない。

 このような状況の中で、京都教育センター教科教育研究会国語部会としての緊急の活動課題は、今こそ国語教育についてのこれまでのわたしたちのつみあげてきた成果と、まだ残されている課題をしっかりと論議する場を創っていくことでないかと考えている。そのための活動をすぐに始めたいと考えている。

 それは、「京都教育センター研究集会・国語教育分科会」と、国語部会独自のとりくみとしての「国語教育連続学習会」である。

 今、国語教育を論議するときに、何が論議しなければならないことか、ということ、そして国語教育実践で、何をめざして実践を進めていくかがしっかりと意識されていることが大切ではないか。

 このふたつのとりくみに、多くの方々の参加と真摯な論議を期待したい。

京都教育センター研究集会・国語教育分科会

 12月25日(土)・26日(日)の両日、京都教育センター主催の第41回研究集会が開催される。これは、京都教育センター設立50周年記念集会としての意味も持つ。

 その二日目の12月26日には、今年も国語部会が中心となる国語教育分科会にとりくむ。国語部会では、「今、国語教育らついての論議を」という問題意識の具体化として、今年度の分科会内容を、次のように計画している。

全体テーマ

国語教育の危機、課題をどうとらえ、私たちの実践をどう創造していくのか というテーマ・問題意識をふまえて、

具体的日程として、

午前/10:00〜12:00: 「国語教育、その問題点と私たちの課題〜児言研の研究成果をふまえて〜」

午後/1:00〜4:00: 「認識と論理の力をのばす 説明文教育」 というテーマのもとに、

講師として、

児童言語研究会(児言研)委員長・森 慎 氏 を招いて、講演・提起をしていただく。

国語教育の、言語教育・説明文教育・文学教育・メディ アリテラシー教育など各分野についての研究と実践を幅広くとりくんでいる児言研の研究をふま えての講演・提起は、私たちの論議のために大切な提起となると考える。

また、午後には、説明 文の授業をビデオによって具体的に示しながらの提起が予定され、より実践的な学習が期待でき る。ぜひ多くの参加をお願いしたい。

国語教育連続学習会

 国語部会では、センター研・国語分科会だけで学習・論議を終わらせるのではなく、さらに、 各分野の課題と論議について、今後の展望をもっていくために、四回の連続学習会で、国語教育 の各分野についての論議すべき点を明確にしていくことをめざしたいと考えている。

 そのための資料として、全国教研・国語分科会から提起されている、「国語分科会20年のまと め」を使い、それを論議することで、国語教育の各分野で、今、何が論議され、何が課題として の残っているのかを把握し、それを論議することで、今後の論議に活かしたいと考える。

 この「まとめ」は、1998年に京都集会から出発した全国教研・国語分科会は、2008年 の東京集会で20年の区切りを迎えたことを機に、それ報告と討議をまとめ、さらに研究と実践 を深めていくことをめざして、これまでの共同研究者を中心として編集・作成されたものである。

 この「まとめ」を各府県段階でも論議し、さまざまに意見や提起をしていくことを、2010 年8月の和歌山集会での国語分科会として要請している。

 この要請を受けて、京都での論議を始めたいと考える。それは、京都の教研国語分科会での討 議にも役立ち、京都の国語教育研究・実践にとっても意味のあることだと思われる。そして、変 質されようとしている京都の国語教育の現状を乗り越え、私たちの考える国語教育を進めていく ためのエネルギーとしたい。

 連続学習会日程は、次のように計画している。

日時・会場 内          容
第1回学習会 2月 5日(土)  会場  センター室 言語の学習  何が論議され、何が課題として残っているか
第2回学習会 3月12日(土)  会場  センター室 説明文教育  何が論議され、何が課題として残っているか
第3回学習会 5月 7日(土)  会場  センター室 文学教育  何が論議され、何が課題として残っているか
第4回学習会 6月 4日(土)  会場  センター室 作文教育  何が論議され、何が課題として残っているか

*学習会は、午後1時30分開始・4時終了の日程で行います。      
*司会・提起については、全国教研国語分科会の司会担当・共同研究者があたります。      
*資料は、当日配布します。      
*会場については、旧教育会館・センター室です。変更の場合、会館入口に張り紙でお知らせします。

 私たちがこれまで、分析・指摘してきたように、これからの国語教育は、

@ PISA型学力という名のもとに、言語処理能力の項目を「言語活動場面」としてとりあげ、その訓練・スキルに終始する国語科指導。      
A 愛国心注入教科として、教育全体の道徳化の中核としての「伝統文化の継承・発展」という名目のもとの、「伝統的な言語文化」を、音読・暗唱などの限定された方法で取り込んでいくことの拡大、強化。    

の2つの点から大きく変えられていこうとしている。@については、「活用能力」「活用する力」育成などと称しての具体的な活動提起が始まろうとしているし、Aでは、「古典の日」のさまざまな活動が子どもたち、教師を巻き込んで進められてきている。   

 それに対して、何を・どのように批判し、どう実践として対していくのか、今、問われている。それを、集団的な論議で考えていきたい。それをめざしての、このふたつの(京都教育センター研究集会・国語分科会)(国語部会連続学習会)のとりくみにぜひ参加していただきたい。

国語部会事務局より

「国語部会通信」に寄稿を    

 この「国語部会通信」は、国語教育についての問題点や課題を提起していくことを中心に発行しています。  

 それは、もっと深く論議し、さまざまな意見や提起を受けていくことが大切だと考えています。  

 あなたの意見や提起を、ぜひ寄稿して下さい。   

   ・記名、無記名、ペンネーム、どれも可。  
   ・国語教育についての内容なら、形式やジャンル、内容は自由です。  
   ・寄稿は、センター事務局または国語部会事務局まで。

「国語部会通信」の定期購読の申込みを

 この「国語部会通信」は、不定期に発行されています。  

 この通信をあなたも読みませんか。  

 定期購読を希望される方は、センター事務局、あるいは国語部会事務局に連絡していただければ、発行時に郵送します。   

 会費や郵送料は必要ありません。(無料)  

 また、京都府以外からの申込みも歓迎です。




京都教育センター設立50周年記念

第41回 京都教育センター研究集会

 京都教育センターは、今年で設立50周年を迎えます。

 その記念すべき年の京都教育センター研究集会は、下記の要項で開催されます。

日時 2010年12月25日(土)・26日(日)

会場 京都教育文化センター

 現在、とりくみの具体化をめざしての活動が進められています。第一日日(12/25) は全体会、第二日日(12月26日)は、分科会となります。


国語分科会に参加を

 今年も、国語部会は、国語分科会にとりくみ、国語教育の理論と実践についての討議を深めたいと、今からとりくみを進めています。

 とりわけ、学習指導要額の本格実施、それにもとづく小学校新教科書による指導の開始、という状況の中で、今、わたしたちが積み上げてきた国語教育について、さら に論議を深め、自信をもって実践を進め、父母にも広く操起していくことが大切です。

 そのために、今回の国語分科会は、   児童言語研究会(児言研)員長 森 慎 氏

を招いて、「国語教育の現状と課題をどう考えるか」、「私たちの考える国語教育を どう進めていくか」について、提起をして頂き、学びたいと考えています。

 児言研は、文学教育では「一読総合法」を提唱し、全国で多くの実践が広まって います。また、説明文教育では「批判読み」を提唱し、言語教育では、「たのしい日本語の文法」は京都でも1970〜80年代にかけて、多くの実践がありました。これは つい最近刊行された「たのしい文法の授業」として再度集団論議のなかで編集された刊行物として提起がされています。また、説明文教育についても「言語論理教育」 として、メディアリテラシーの教育の視点からの提起もしています。

 このように、国語教育としてひとつの分野だけでなく、幅広くその理論と実践を深め ている自主的研究団体です。

 京都の国語教育・三分野説の立場からも学ぶことが多いと思われます。

 ぜひ、参加ください。

 
トップ 教科教育