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京都教育センター          2009.2.28

     
教科教育研究会・国語部会通信

         編集・発行 教科教育研究会国語部会(会員用:部内資料)       

              第 35 号


京都教育センター / 国語部会活動報告(国語部会 2008年度)

--国語部会で、何がとりくまれ、何が成果となったか--

1.2008年度活動の経過と概要

 04年度に立ち上げられ、1年間準備会として活動し、05年度正式に国語部会として体制を確立した教科教育研究会・国語部会は、活動にとりくみ、今年度2008年度にその活動を広げてきた。

 京都府下には、府下全体として、またそれぞれの地域で、着実に活動を進めているサークル、自主的研究会が多く、それらの集約点のひとつが京都教研集会であるが、京都教育センター国語部会も、その集約点としての任務をもつと考え、また国語教育全体の問題について提起していくことをめざしてきた。

 国語教育の危機・空洞化、さらに「崩壊」状況になることが、「全国一斉学力テスト」、「改訂学習指導要領・国語科」でより明白になってきている状況の中、この国語部会がそれに対していくことを基調として活動を進める意義は大きいと考えている。


2.具体的活動の概要

 今年度の活動として、以下の具体的な活動を進めた。

@ 「国語部通信」の発行

 今年度の「国語部通信」は、

3月末  第25号 国語教育は改訂学習指導要領でどう変わるのか〜私たちは、何をどのように分析し、批判しなければならないのか〜

5 月  第26号 今年の「全国一斉学力テスト」は、どのような意味をもつのか〜「PISA型学国語力」は、「国語の学力」と言えるのか〜

      第27号 「全国一斉学力テスト」小学国語・B問題を検討する〜「国語の学力」とは何か〜

7 月  第28号 国語教育はどう変えようとされているのか、現場の状況を的確に見る視 点を〜「改訂学習指導要領」「学力テスト」に続くものは〜

9 月  第29号 国語教育の学力を考える(1)  「読解リテラシー」、「PISA型読解力」「PISA型国語力」・「PISA型学力」  〜私たちのめざす国語教育は〜   

     第30号 国語教育の学力を考える(2) 問題にすべきは学力の「内容」〜「内容」を抜きにした「学力」論議の危険性を もっと問題にすべきではないか〜

12月  第31号 国語教育の学力を考える(3) 国語の「基礎・基本」とは何か

1 月  第32号 国語教育の学力を考える(4) 「学力テスト」の国語問題に見る、国語教育の構造の解体 〜これでいいのか、国語教育〜     

     第33号 国語教育の学力を考える(5) 「学力テスト」「改訂学習指導要領・国語科」の国語教育の基礎・基本の崩壊を具体的 に考える   

     第34号 センター研・国語分科会報告  〜国語分科会で何が提起され、何が論議となったか〜

2 月  第35号 年間活動まとめ

を発行してきた。

 国語部会としての活動の中心となる、「国語教育の現状を確かにとらえる」こと、「国語教育の 課題を的確に提起する」こと、さらに「国語教育の実践の方向性を示す」ことが、通信発行のと りくみによって、具体化していくことをめざした。 とりわけ、今年度の大きな論議課題となる「改訂学習指導要領」問題や「全国一斉学力テスト」 問題などについて、それがどのように関わり、国語教育の変質がどのように進められようとして いるのか、問題点や課題を提起し続けてきた。それは、さらに国語分科会での論議の深まりに繋 がっていったと考える。


A会員・通信定期購読

 国語部会の活動をより広めていくことをめざして、国語部会の会員を増やし、国語部会通信の 定期購読者を増やしていくことをめざしてきたが、現在、通信送付は、80名を超えた。また、 それは京都府下だけでなく、他府県にも広がり、全国教研や民間教育研究団体との連携も進んでい る。


B公開研究会・センター研究集会

(1)センター公開研

 9月に開催された、学力・教育課程研究会公開研究会と教科教育研究会国語部会の主催の京都教育センター公開研究会で、小野英喜氏の「ぶれまくる学習指導要領にふりまわされない、自前の教育課程を今こそ」と題する講演のあと、国語部会として、事務局の得丸浩一が「実践報告『私はこう実践する』をした。

 国語と社会を中心に論議を深めることをめざした公開研として、改訂学習指導要領をどうとらえ、どのように実践を進めていくのかを提起し、その論議を深めた。

*詳細については、学力・教育課程研のまとめを参照。


(2)センター冬季研/国語教育分科会

 1月のセンター冬季研では、国語部会の分科会を開催し、提起と討議を深めた。今年度の参加は、15名と増え、京都府下だけでなく他府県からの参加もあり、具体的な論議が深まった。

*詳細については、センター研・分科会報告を参照


3.今後の課題

@事務局体制のさらなる確立

 今年度から、高校からの事務局への参加があり、私学・高校からの国語分科会への参加が具体化できた。さらに幅の広い活動が進めていける体制をめざし、活動の基盤をつくることをめざしたい。


A活動の精選と充実

 京都の国語教育運動のひとつの集約点としての活動を、より具体的に進めていきたい。また、豊かに幅広く進められている国語教育研究サークルや教研活動の成果を集約していくための活動を具体化していくことが大切だと思われる。


B通信活動の充実

 国語教育の課題を共通認識すること、それにどう対するのかを広く構築していくことをめざし、さらに現場の具体的な状況を把握し、理論的実践的にどう克服していくのかを考えるために、「通信」の発行を定期化することとともに、現場の具体的な状況や課題、実践を入れていくことで内容の充実をめざしたい。

 私たちの理論的実践的な国語教育の財産である、「京都の国語教育・三分野説」をどう確かなものにし、広めていくかをめざして、今後の活動をとりくみたい。

 


国語部会事務局より

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