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京都教育センター          2006.12.1

     
教科教育研究会・国語部会通信

         編集・発行 教科教育研究会国語部会(会員用:部内資料)       

              第 12 号

第37次京都教育センター研究集会に参加を

日時/2007年1月27日(土)・28日(日) 会場/京都教育文化センター各室

今年のセンター研究会は、夏季から冬季への開催となり、2007年1月に開催されます。

*全体テーマ

・教育基本法を活かした学校・教育のあり方を検証する         
・山積する今日的課題を解明し、議論を深める         
・すべての子どもたちの豊かな発達を見届けるさまざまな実践や運動から学び合う

*京都教育センター国語部会の担当する分科会は、第二日日の1月28日(日)にもたれます。
  詳細については、4ページを参照下さい。

国語分科会では
−−何が提起され、どのような論議が進められるのか−−


センター国語部会では、分科会での日程(提起と討議)を次のように予定しています。みんなで 討議を深めましょう。

研究テーマ  「ことばの力」とは何か 〜人格形成をめざす国語教育を〜

日程     第3回「国語教育の危機、どうする」集会で、何が論議されたか
                報告/浅尾紘也(センター国語部会事務局)

提起
     @「国語力」を批判する           提起/得丸浩一(京都綴方の会)

     A私たちの考える「ことばの力」とは    提起/浅尾紘也(京都教育センター国語部会)
     B「ことばの力」を伸ばす国語教育実践を考える  提起/西條昭男(京都綴方の会)



 センター国語部会が担当するセンター研分科会は、2005年度(第35次)は、「子どもたち の『ことばの力』の現状とその問題点をとらえ、国語教育の課題を考える」、2006年度(第36次)には「子どもたちの『ことばのカ』・『国語の学力』の現状と問題点をとらえ、国語教育の課題を考える」を中心テーマとして、捷起と論義を深めてきました。

今年の分科会は

 今年は、そのテーマをさらに深めることを目指し、「『ことばの力』とは何か」として提起と討議を進めていくことを考えています。

 提起の@は、数年で見直さざるを得ないという状況となった現行指導要領の改訂のなかで顕著に出てきた「国語力」などという、実態も内容もない「言葉」が、どのようなことを意図して使われようとしているのか、また、そのような「言葉」を持ち込むことによって、国語教育の空洞化・崩壊状況がどう進むのかを、分析・提起します。

 提起Aは、それに対して、私たちが主張する国語教育理論のなかでの「ことばのカ」は、どのような内容と方向性をもつものかを、京都の国語教育三分野説にもとづきながら、より具体的に提起をします。

 さらに提起Bでは、@Aをふまえて、国語教育実践の中で、「ことばの力」を伸ばすことを めざす実践として、どのようなものを考えていくかを、実践的に提起します。この内容・方法は、多様なものがありますから、そのなかでのより具体的なものとなります。

討論の中で

 これまでも、教育をめぐる論議は、国語教育の本質はもとより、現象か状況やそこでの専門性をふまえたものではなく、「言葉遊び」と言うような状況がはびこり、それがより豊かな実践や、子どもたちのカを伸ばすものとはほど遠いものであったという状況が進んでいます。

 あの「新学力観」や「ゆとり」、「観点別評価」や「基礎・基本」論議は、その最たるものであり、 その度に国語教育の本質が見失われることとなり、その実践が歪められていくこととなってい ます。

  この「国語力」も、その危険性を強く持つものです。
 またこの「〜力」という言い方は、無原則的に広がり、「〜力」という表現をすればなんとなく分かったような気になるという側面ももつもののようです。ですから、私たちの中にも、「〜力」 という言い方をやめては、という意見もありますが、私たちが提起してきた「ことばのカ」につ いては、その内容をより具体的なものとして共通認識していき、実践に活かしていくことを努 力することが必要なのではないでしょうか。

 今年の分科会では、それをテーマとしたいと考えています。


多くの参加者を

 ぜひ、多くの方々にこの国語分科会に参加して頂き、論議をより実のあるものにしていきたいと考えています。

 わたしたちの論議が、豊かな国語教育実践となるための「理論提起」として、多くの教師達、 そして父母のみなさんにも提起していけるものになることをめざし、このような状況だからこそ、 国語教育についての確かな提起を進めていきたいものです。



京都教育センター・教科教育研究会国語部会/公開研究会


第3回「国語教育の危機、どうする!」集会

−−国語教育三分野説に基づく国薄教育実践を−−

 11月4日、京都の町屋「古武」で、京都教育センター国語部会・京都民主教育推進 委員会・京都国語育研究団体連絡協義会の共催で、三回目となる国語教育の現状 をとらえ、人格形成をめざす国語教育実践をどう進めていくかを論議し合う研究集会を もちました。

 分野別課題提起では、言語教育について浅尾紘也(乙訓国詩サークル)が、言語に ついての学習を進めるための教材が、教科書ではほとんど設定されて有らず、説明文教材の不十分さと共に、論理的な文章を読む力を伸ばす実践ができない現状を指摘 し、体系的系統的な言語教材の自主編成と説明文教育を、言語学習をふまえていく実践視点が大切であることを提起しました。

 文学教育では、審良光昭(京都はぐるま研究会)が、現場の文学教育が「コース別少人数授業」や「アニマシオン」などの方法論が無原則に取り入れられ、「形象を読む」ことのない授業が進んでいること等、「読まない 文学教育」の現状を指摘し、豊かな文学教育実践を進めていくことを提起しました。

 また作文教育では、小松伸二(京都市つづり方の会)が、教科書には作文教材とよべるも のがほとんどなく、技術だけが部分的に進められようとしていることを指掃し、作文教育 は、子とも達が表現していくことの意味、現代的な課題をふまえて多様に進めていく必 要のあることを、子どもたちの詩や作文を示しつつ、捷起しました。

 さらに、パネルディスカッションでは、パネラーの倉本頼一(滋賀大)・小宮山繋(日本作文の会)・得丸浩−(京都綴り方の会)が、指導要領国語科が言語の「内言」を切り捨 て「外言」としての伝達機能ばかりに偏しており、それが国語教育を技術的技能的なものに矮小化していること、ことばの力を伸ばすことが人間的成長をめざすものにならないこと、生活に根ざした人間的なことばを獲得し伸ばしていく作文教育・綴方教育の大切さ、「国語力jなどという曖昧な言葉で課題に対しての実践がごまかされてしまおうとしていること等、多くのことが提起され、討議されました。(文中・敬称略)

 現在の国語教育の状況が、「空洞化」から「崩執へと進みつつあること、それに対して、しっかり発言・提起していくことの大切さを共通認識できる集会となりました。

 この成果をさらに引き継いで、国語部会としても、さらに実践的な論議を進めたいと 考えています。



第37次 京都教育センター研究集会

−−2007年1月27日(土)〜28日(日)−−


【日 時】

2007年1月27日(土) 13:00〜17:00 全体会
        28日(日) 10:00〜16:00 分科会

【場 所】

京都教育文化センター

(京都市左京区 京阪「丸太町」下車東へ徒歩5分 京大病院南側、075-771-4221)

*参加費(資料代として) 500円。(学生無料)


【日 程 ・ 内 容】

1日目 2007年1月27日(土)

  ◆10:00〜12:00 プレ講座     教文センター302号室

      
 「私の教育実践と支えた力」
          
 藤原義隆(元京都市立小学校・教育センター事務局)
 戦後の反動教育に抗した30数年に及ぶ教育実践・教育運動を総括する壮大なレポート報告(A3版両面50枚)  *4人の教え子たちからの コメントも

  ◆13:00〜17:00 全体会      教文センター302号室

    ○あいさつ    野中 一也(京都教育センター代表)
               藤本 雅英(京都教職員組合執行委員長)



    記念講演
  「憲法・教育基本法とともに歩んだ私の教育:41年」


      講師 野本勝信氏(元中学校長・京都府同和教育研究会会長)

    ○パネル討論 テーマ 教育改革の対抗構想を探る
       
            −教育の力で21世紀に平和と民主主義を再生するために−

          パネラーは、学校現場・研究者・地域運動の方々
 この1年間の教育基本法「改正」をめぐる論議や運動を通して、教育の権力的支配に抗して、私たちは何をなすべきかがはっきりと見えてきました。この間のさまざまな取り組みの到達点をふまえ、運動の第2ステージへの飛躍をめざす議論を参加者とともに深めます。

  ◆17:30〜  交流懇親会  
     きびしい情勢に明るく展望してたち向かう2007年の抱負を語りあいましょう。どなたでも参加できます。
         当日受付に申し込んで下さい。


2日目 2007年28日(日) 分科会 教文センター全館

  ◆10:00〜16:00 分科会
 
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