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京都教育センター            2006.1.31
    
教科教育研究会・国語部会通信
                第9号


05活動を総括し、さらに06活動の充実をめざして     

 教科教育研究会・国語部会は、今年度も、昨年度の準備会としてのとりくみをふまえつつ、体制を整え、京都の国語教育を集約していくことをめざしての活動を進めてきました。

  2005年の国語部会の活動を、次のように総括したいと考えています。



教科教育研究会・国語部会/2005総括

1.2005年度活動の経過と概要

 昨年四月に立ち上げられた国語部会準備会は、今年度正式に国語部会として体制を確立し、活動の継続をめざしてとりくんできた。  

  事務局体制も少しずつ強化し、京都の国語教育運動のひとつの集約点としての意義のある活動をとめざしてきた。現状としては、当初の活動予定がすべて具体化されたとは言えない状況であることは否めない。

  しかしながら、国語教育の危機・空洞化が懸念される現場の状況の中、この国語部会が活動を進める意義は大きいと考えて、どのように活動の方向性を決め、具体的なとりくみを進めていくか、模索しているのが現状である。

2.具体的活動の概要

@ 「国語部通信」の発行

 国語教育の現状にてらせば、その課題は緊急なものが多い中、活動の方向性をできるだけ多くの意見や要望をくみ上げ、より具体的な活動を構想していく上でも、情宣活動のもつ意味は大きい。

 また、国語教育をどう構想するかということが、国語教育実践を確かに進めていくために大切なことであるし、これまでの京都の国語教育運動の中で理論的にも実践的にも豊かに積み上げられてきた「国語教育三分野説」を広めていくためにも、大切なとりくみであると考える。

 国語部会では、それを「通信」活動を中心としてとりくんできた。「国語部通信」は、昨年度の第1号(5月)、第2号(6月)、第3号(8月)、第4号(9月)、第5号(12月)の発行に続き、今年度は、6月に第6号、8月に第7号、10月に第8号、1月に第9号を発行してきた。

 内容としては、今現場での課題とすべきテーマを中心においた。

A夏季研究会の分科会討議

  センター夏季研において、国語部会が中心となり、第8分科会「『ことばの力』 『国語の学力』の現状と問題点を深めよう」というテーマで、報告と討議を深めた。

  その具体的な内容としては、「国語の学力低下をどう見るか」について、国語部会事務局より提起しての討論、府下各地で実施されている「学力テスト」をもちよっての検討・討議を中心においた。(詳細については、夏季研・分科会報告を参照)  その提起と討議の中で、「学力」とは何か、それを測定するとする「テスト」の妥当性の疑問と本質的な問題点がかなり明確になってきた。これは、それを乗り越える理論と実践を進めるためにも、今後も討議を深めていくことが必要だと考える。

B国語教育のサークル・教研を集約していく活動

  国語教育研究については、市内・府下で、国語教育のサークルの例会や定期的な研究会・研究集会の開催が恒常的にとりくまれており、その成果も大きい。

  センター国語部会としては、それらの成果を集約する役割を大きく担っていると考えている。その具体的な活動が必ずしも十分に進められてはいないが、今後も、基本的なことからの整理をめざしつつ、その視点からの活動を進めたい。

3.今後の課題

@事務局体制の確立

  一定強化されてきた体制を、さらに確立し、幅の広い活動が進めていける基盤をつくっていきたい。

A活動の精選と充実

  京都の国語教育運動のひとつの集約点としての活動を、具体的に進めていきたい。また、豊かに幅広く進められている国語教育研究サークルや教研活動の成果を集約し、それを広めていくための活動を具体化していくことが大切だと考える。

B通信活動の充実

  国語教育の課題を共通認識し、それにどう対するのかを広く構築していくためにも、現場の具体的な状況を把握し、理論的実践的にどう克服していくのかを考えるためにも、「通信」の発行を定期化し、内容の充実をめざしたい。

  まだまだ課題は多いが、私たちの理論的実践的な国語教育の財産である、「京都の国語教育・三分野説」をどう確かなものにし、広めていくかをめざし、今後の活動にとりくみたい。

                                  (文責・浅尾紘也)

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