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京都教育センター            2005.8.10
    
教科教育研究会・国語部会通信
                第7号


京都教育センター 第36回  夏季研究集会に参加を

  日時 2005年8月27日(土)・28日(日)

  会場 京都教育文化センター

 今年も、京都教育センターの夏季集会が開催されます。
広めよう、深めよう「みんなで語る教育基本法」
       わたしたちの願う教育・学校とは・・・
                   参加と協同の力でひらく学校と教育の未来

というテーマのもと、 第一日目(8/27)
   全体会 記念講演/石川喩紀子さん  「子どもの希望を育む教育を求めて」
   分散会 @〜B 第二日目(8/28)
  分科会  @ 人間発達の源泉としての学校と社会の現代を問う
        A 社会の「周辺」へ追いやられる子ども・青年がかかえる「困難」と教育の課題
        B 今日の学力問題ととりくみの展望
        C 高校生の学力はどうなっているか
        D 民主カウンセリング・ワークショップ
        E 経済界や文科省は義務教育をどのように変えようとしているのか?
        F 「地域」のもつ力・「地域」で育っているもの
        G 子どもたちの「ことばの力」「国語の学力」の現状と問題点を考える
 という日程・内容でとりくまれます。  また、それぞれの分科会は、京都教育センターの各部会が担当し、内容を創り、運営をしていきます。  教育の本質に迫る課題・問題を、それぞれの切り口から考え、深めていく分科会となります。参加されるみなさんの力で豊かな成果をあげましょう。


第8分科会に参加を!

 教科教育研究会国語部会は、第8分科会を担当します。今年のテーマとしては、 「ことばの力」「国語の学力」の現状と問題点を深めよう となります。

 文科省の方針がネコの目状態のように、ころころと変わり、揺れ動く中、ほんとうに子どもたちに「ことばの力」をつけ、それを通して人格形成(人間的成長)をめざす国語教育の実践をめざして、問題を深め、討議をしたいと考えています。

第8分科会の具体的な内容と日程

8月28日(日) 午前10時〜12時   提起/「国語の学力低下をどう見るか」
                       提起/浅尾紘也(国語部会事務局)

  討論1 午後1時〜4時30分    司会/審良光昭(京都はぐるま研究会)
        資料提供/京都府下各地で実施されている「学力テスト」とは
                       提供/浅尾紘也(国語部会事務局)   

  討論2                 司会/鶴尾和広(乙訓国語サークル)

 このような日程と内容での報告と討議を予定しています。二学期の始まりが目の前に迫る日程とですが、その実践に確信をもつ研究会にしていきましょう。



実り多い討議のために      〜私たちが深めねばならないことは〜

 今、教育政策は揺れています。そのもととなった「学力問題・学力低下問題」は、何を、どうとらえねばならないのか、私たちにとっても、しっかりと深めねばならない課題といえます。

 とりわけ、OECD調査のPISA2003の「結果」は、国語の「読解力リテラシー」の低下の状況が大きな問題をもつものであった故に、国語教育だけでなく、深刻で多様なものであると考えられます。

 文科省は、2000年の結果から問題は提起されていたのですが、「学力低下はない」という姿勢を崩さず、今回についても「学力低下に歯止めがかかった」という強硬姿勢を見せています。

 だからこそ、私たちが深めねばならないことは、 ・ 何が「低下」しているのか ・ 何故、低下してきたのか ・ 何にとりくむことが低下を克服することなのか ・ そのなかで、国語教育としての課題は何か ということだと考えられます。

 たしかに、現状としては、国語科の言語技術教育化、活動主義化、総合的な学習の時間の下請け化が進むという状況、見識のない習熟度別少人数授業の実施などの外的条件の悪化が顕著に進んではいますが、それだけが「学力低下」の原因としていいのでしょうか。

 指導要領・国語科の本質的な問題について、わたしたちはこれまで指摘し続けてきたのですが、この本質的な問題こそ、今、しっかりと見なければならないものなのではないでしょうか。

 京都の「国語教育三分野説」は、この本質的な問題についての批判を基礎として提起され、実践が積み重ねられてきたものです。そのことに、今こそ、しっかりと学び、さらに発展させていくことを目指していくことが大切なのではないでしょうか。

 その意味では、マスコミなどでさかんに煽られている、偏った「学力低下」キャンペーンに傾斜することなく、正確に問題をつかみ、深めていくことが大切なのではないか、と思われます。  だとすると、「学力実態を把握する」として、今流行のように実施されている「学力テスト」「基礎学力診断テスト」や「学力調査」などの内容を、しっかりと検討していくことも、緊急の課題となります。  この「学テ」は、じつにさまざまに実施されていますが、その「内容」は、「学力」を把握することのできるものとなっているのでしょうか。それを、丁寧に検討していくことが急がれます。この「学テ」実施が、「点数」という「量的成果」ばかりが問題され、教職員評価のためのものに堕していないかの検討は、ぜひとも必要です。

 今年の分科会では、府下各地で実施されている「テスト」をもちより、集団的に検討したいと考えています。

 参加される方々も、可能ならば、自分の地域や学校で実施されているテストを持ってきていただければ、ありがたいと思います。

 今、「国語教育の危機!」というのは、私たちの共通認識となっています。けれども、そのような状況であるからこそ、何が正しいのか、何が必要なのか、何にとりくまねばならないのか、どんな実践をめざすのか・・・などの本質的なことが明らかにできるのだとも言えます。

 この分科会討議で、それをめざしていきましょう。

 あなたの参加をお待ちしています。



京都教育センター  教科研究会国語部会/部員募集!

 国語部会では、部員を募集しています。  
  部員として登録して頂ければ、「国語部通信」や資料をお届けし、研究会やさまざまなとりくみについての案内などをお届けします。
  もちろん、会費や入会金などは必要ありません。
  部員登録を希望される方は、事務局まで連絡してください。
    *連絡先*   浅尾紘也                   西條昭男      まで。
  また、サークルや職場、地域の仲間にも呼びかけ、部員としての登録を勧め ていただければ、と思います。

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