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京都教育センター            2004.5.1
    
教科教育研究会・国語部会通信
                第1号


教科教育研究会・国語部会の発足にあたって

 ここ数年来の国語教育の危機的状況は、これまで国語教育研究・実践にとりくんできたものとして、看過できないものとなっています。

 京都では、技術的技能的な指導要領国語科を乗り越え、「人格形成をめざす国語教育」の構造を、言語教育・文学教育・作文教育としておさえ、さまざまな実践的成果をふまえた「国語教育・三分野説」を創造し、実践的に深めてきました。

 その理論と実践を、いまこそさらに確かめつつ、広めていくことが必要ではないでしょうか。

 このたび、京都教育センターに「教科教育研究会・国語部会」を立ち上げ、その活動の中心となっていくことをめざしたいと考えています。

 多くの方々の参加とご支援をよろしくおねがいします。


   研究会のめざすもの

・ 「京都の国語教育三分野説」の理論と実践の集約とたしかめ、再構築をすすめる
・ 教研集会、自主的研究との連携をし、国語教育研究運動をすすめる
・ 現場の国語教育の実態や課題等についての集約と提起をすすめる
・ 具体的には、センター夏季研への分科会設定や定期的な例会開催、通信による活動、出版活動などにとりくむ


具体的な活動(計画予定)

・ 六月  定例研究会
・ 七月  センター夏季研に分科会設定
・ 九月  定例研究会
・ 十月  京都教研参加
・ 十二月 交流懇親会
・ 一月  全国教研参加
・ 二月  定例研究会


研究会の体制

・ 代 表

・ 事務局   浅尾紘也

・ 会 員   略


今後、体制づくりを進めつつ、可能な活動にとりくむことをめざし、それを広げていくことを考えています。


 
会員募集

国語部会の「めざすもの」に賛同し、ともに研究活動を進めていくことを考えてくださる方の会員としての参加を呼びかけています。ぜひ、あなたも会員として登録し、ともに研究を進めていきましょう。連絡は、事務局または教育センターまで。

会員として登録して頂いた方には、「通信」をお届けし、例会等の案内をいたします。また、活動についての要求や要望などがありましたら、事務局まで連絡ください。これからの活動は会員に方々の声でより充実したものにしていきたいと考えています。


国語教育はいま

 私達は、いま進められている国語科指導について、大きな危惧を持っています。それは、国語教育の危機的状況であると言っていいと思われます。「京都の国語教育」を支え、進めてきた多くのサークルや教育研究団体は、今その力を結集し、国語教育の「空洞化」のみならず、「崩壊」への道を進もうとしている国語教育への理論的実践的立て直しをめざしての努力が始められています

* 参考文献 雑誌「作文と教育」2004.3月号所収
       『国語教育の危機をどうする!』審良光昭

 京都の国語教育・三分野説は、教研集会やサークル活動、自主的研究活動のなかから、指導要領国語科の技能的技術的な国語科指導に対して、「ことばの力」を伸ばすことを通して、「人格形成をめざす国語教育」を進めていく国語教育構造論として創造されていきました。

活動主義、言語技術教育に偏る国語科指導が目標・内容・方法、さらには体制までがんじがらめにされた中で進められようとしている今、京都の国語教育・三分野説の視点から、「問題」を検討し、「課題」を論議することが求められています。
教科教育研究会国語部会では、こうした現状をふまえての活動を進めていこうと考えています。


現場の状況の把握と課題の追求を

 しかしながら、私達は理論や計画を先行させて論議をしていくことを意図しているのではありません。まず大切なことは、現場の状況がどうなっているのか、ということの把握であり、「事実」の確認です。学校や子どもたち、現場教師の声を少しも反映させずに進められているトップダウンの「教育改革」が成果をあげられずに混乱ばかりを招いていることを見ても、現場の状況をおさえ、子どもたちの実態をふまえての理論が必要であることは言うまでもないのです。

 具体的に、あの「総合的な学習の時間」の偏重が国語教育に何をもたらしたのか、「少人数授業」や「能力別グループ編成」が国語科指導をどう変容させ、どんな問題を発生させたか、「伝え合う力」偏重の技術主義は子どもたちの「ことばの力」をどう衰退させたか、あるいは「声のものさし」などの形式指導のおしつけと管理主義は、子どもたちの学習離れを加速させてはいないのか、ひとつひとつ検証していく必要があります。

 そのなかで、国語教育・三分野説が提起する「ことばの力」を再検討し、実践的な整理をしていくことが大切だと思われます。


おねがい

・ この「国語通信」への寄稿をお願いします。国語教育についてのことであればなんでもけっこうです。
・ 会員を広げていくことにご協力ください。職場、サークル、研究会でよびかけてください。
・ 例会(6月、9月、2月)への参加をお願いします。また、12月には交流懇親会も予定しています。それへの参加もよろしく。

・ 京都教育センターには、ホームページがあります。センター全体の活動などについては、HPをごらんください。

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