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「子育てネットワークの今日的意義」 −−講演 レジメ(要旨)−− 2005.1.23 浅井 定雄
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(1)子育てネットワーク運動と「子どもの発達と地域」研究会との関連性 さまざまな子育ての困難を抱える今日ではあるが、それを克服すべく、京都ではさまざまな地域で草の根の子育てサークルや、子どもの発達と保育・教育を守り育てる運動が進んでいる。しかしながら現時点では、それらが個々バラバラに存在しており、全体として大きな力を発揮していないと言うのが現状である。そこで、この京都でさまざまな子育て運動をネットワーク的に結びつけ、今日の子育ての困難を打開する大きな運動へと発展させていく課題が重要になってきている。
京都教育センター「子どもの発達と地域」研究会は、独自に発足した研究会ではあるが上記の子育て運動と決して無縁ではない。むしろ、それらの運動に積極的に関与して、実態調査や理論的分析、運動の方向などを示唆するものとして機能してこそ、その有用性を発揮するし、また会として研究も深化するのではないかと思われる。
京都の子育てネットワーク運動と京都教育センター「子どもの発達と地域」研究会とはそうした補完的な関係にあると考えるのである。
(2)子育てネットワークの今日的な必要性(要旨)
@子どもたちの問題の深刻化
・いじめ・学級崩壊・不登校・引きこもり・少年犯罪など
A子どもたちの育ち(発達)の中で、どのような「ゆがみ」が生じているのか
B小・中学校における学校教育の問題点
・「習熟度別」の名による差別・選別の教育
・中高一貫校によりエリート育生と競争の激化
・「日の丸・君が代」押しつけによる管理・監視教育の強化
・「愛国心」「心のノート」による復古的国家主義教育
C幼稚園・保育園での子どもたちの実態と「育ち」の課題
・早期教育−−2歳から「幼稚園入学」の特区も
・自由保育−−「保育指針」とその修正
・つめこみ保育−−小泉首相の下で「少子化なのに保育園は定員超過」
D「家庭教育の崩壊」
・若い父親・母親達が子どもの頃(1980年代)は、「中学校が大いに荒れた」時代 であり、必ずしも学校や教育に良い印象を持っていない。また共通一次=センター試 験世代で仲間同士の競争が激化していった時代であった。(子育て仲間を持たない=子育ての孤立)
・ゲマインシャフト的な地域社会の崩壊、地域の教育力の崩壊、大家族制度から核家族 への転換は、若い父親・母親達になんらの「子育て教育」をしてこなかった。だから、 子どもが生まれても「何を、どうして良いのか」わからない。
E「子育てネットワーク」の新たな創造
・「新たなパートナーシップ」とは
しかしながら、今日求められているのは古い形(地域の過干渉型の関わり・大家族制度の復活)の子育て環境ではない。若い母親達の求めているものは、「子育て仲間」であり「専門家としてのアドバイス」なのであって、干渉的・押しつけ的な「家庭教育責任論」「母親責任論」で解決はしない。
F「憲法改悪」「教育基本法改悪」の動きの中での「家庭責任論」の批判
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