トップ カウンセリング研究会


2007年度のまとめ
                         
           京都教育センター 家庭教育・民主カウンセリング研究会


1、2007年度のまとめ

 学校現場では、教育基本法が改悪され管理統制が強められる中、教職員の多忙化にはすさまじいものがあります。生徒や保護者の要望も多様化し、それに応えるべく骨身を削って働く教職員の中で、精神疾患を患う人も増えています。子供たちも学力テストの実施で競争に駆り立てられ、学力向上の任を課せられてますます余裕のない生活を強いられています。

 テレビや新聞では、家族間の悲惨な殺傷事件が連日のように報道されています。生活苦や将来への不安が根底にあると考えられます。

 大企業に奉仕する施策が進められ、弱者にとって冷たい政治がまかり通っている現在、子供も親も若者も高齢者も、やり場のない不安や苛立ちを抱えて生活しています。 こんな状況だからこそ、人と人とのつながり、お互いに育ち合う人間関係を作るカウンセリングの大切さを痛感します。

 そこで当研究会では、7月の公開研究会と、12月の研究集会の分科会と、二度のエンカウンター・グループを開催しました。恒例となったこのグループを心待ちに遠方から参加される方もあり、日頃の思いを語り合い聴き合いながら、ゆったりした時間を過ごすことができました。

 また定例の研究会として、グループ・カウンセリングを11回と、理論研究会を9回持ちました。個人カウンセリングは延べ189回実施しました。センター室を活用させていただき定着した活動が続けられています。


2、活動の経過


 第1金曜日  個人カウンセリング
 第2金曜日  グループ・カウンセリングと個人カウンセリング
 第3金曜日  個人カウンセリング  (夜)カウンセリングを学ぶ会
 第4金曜日  理論研究会と個人カウンセリング

 理論研究会では、昨年度に続きロジャーズ全集の中から「人間関係論」(畠瀬稔 編訳)の第1部、「いかにして援助的関係をつくるか」を学習しています。

 教育現場が大変な時代だからこそ、現職の先生にカウンセリングを学んでもらおうと設けた「カウンセリングを学ぶ会」は月1回の開催です。「暮らしの中のカウンセリング」(西光義敞著)を読んで実生活と結びつけながら学んでいますが、現職の方が連日遅くまで現場を離れられない忙しさの中、なかなか参加してもらえないのが実情です。

 また、「親と子の教育センター」とも有機的に連携しながら、学校や教職員組合の研究集会や、「不登校の子を持つ親の会」・「子の『非行』に悩む親たちの会」に参加するなど、多方面に活動を広げていっています。



2008年度の活動方針

 ネットいじめ・自殺など、子どもをめぐる昨今の痛ましい出来事からは、子どもの悲鳴が聞こえてきます。夢や希望を持ってのびのびと生きていきたいのに、現実は競争原理ががんじがらめに子どもをしばり、仲間との信頼関係を絶ちきってしまいます。

 大人もまた悲鳴を上げています。すさまじい勢いで格差が拡げられ、人間が人間らしく尊重されない生きにくい社会になっています。憲法が危うくなり、経済的にも未来が見えてこない、不安・不満の渦巻く日本社会で、大人も子どもも生きていく上でのよりどころ、確かなものを求めています。

 こんな状況の中でこそ大切になっていくのは人と人との心のつながり、お互いに育ち合う人間関係です。当研究会では私たちにできることをしようと、今年も昨年と同様の計画をいたしました。親と教師が手を携えて、真に人間が大切にされる社会・教育に寄与したいと思います。


2008年度の研究会体制

1 代表者 勝見哲万

2 副代表者 山下正子

3 事務局 芦田幸子 梅澤博子 庄田節子 原木とし子 平本喜美代 光木和子

4 会員  (略)


トップ カウンセリング研究会