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〔教育センター設立50周年記念集会〕報告
第41回京都教育センター研究集会
【設立50周年記念集会】に250名の参加
開催日:2010年12月25日(土)〜26日(日)




記念鼎談「戦後教育を検証し今日の教育課題と展望を語る」

 ●堀尾輝久さん(前民主教育研究所代表)
 ●野中一也さん(京都教育センター代表)

      ●コーディネーター 築山崇さん(京都府立大学)



 設立50周年を迎えた京都教育センターは、さる12月25日(土)・26日(日)に第41回研究集会を開催しました。第一日目全体会の記念鼎談として、堀尾輝久さんと野中一也さんに「戦後教育を検証し、今日の教育課題を語る」と題して、戦後65年に渡る日本の教育を振り返りながら、「新しい教育」の模索についても縦横に語って戴きました。その要旨を紹介します。


 はじめにコーディネーターの築山さんが「戦後65年を経て、どういう地平に立っているのか、またどういう方向に向かうのか、お二人の話をお願いしたい」と切り出し始まりました。  堀尾さんは、1945年から臨教審にいたる時期について「世界史的に見ても、1945年は、大きな流れの中の出来事。無差別爆撃・核攻撃が当たり前の時代が終わって、平和をつくらねばならない、そうした大きな流れの中で、戦後の政治改革がある。私は地球時代の入り口と見ている。教育基本法の理念も提起されたが、まだ実現されていない未完のプロジェクトである。1950年代〜60代は「国家の復権」の時代。そういう時代を通して、憲法・教育基本法の意味を自覚する。ベトナム戦争などを通して、憲法の理念が深く理解されるようになる。社会は高度経済成長で、能力主義が万延してくる。しかしまだ“開かれた競争”の時代であった。80年代以降は、“開かれた競争から閉じた競争へ”。そういう時代に、子どもの権利を軸とした国民教育権論が転換された」。また野中さんは「今、話のあった時代を、足元の地域からどのように作り上げていくのかを問題していきたい。個の中に、大事なものがいっぱいある。国民教育の国民はその地域に住んでいる住民、それを大事にしたのが旭丘の教育であった。京都では、弾圧の中で、父母と手を結び、研究者と手を結んで実践をしていった。細野武男は“国民教育について”の講演で、科学的認識・全面発達・集団主義の3つの原則を提起した。彼は精神的強さ、内面の強さについて楽観的であった。そうした中で革新的な首長を生み出した。蜷川さんはロマンティスト。“15の春は泣かせない”“知事は樽御輿”など名言も多い。私たち自身が民主的力量をつけて、こんな社会をつくりたいとしてつくっていく。蜷川さんは“道はただひとつ、この道をゆく春”といっている。」


 話は、このあと新自由主義教育への対抗軸、新しい教育への展望へと続き、約2時間に渡る充実した話し合いとなりました。  なおこの鼎談の詳細については、「京都教育センター年報 第23号」(2011.3.5発刊予定に掲載する予定です。

記念鼎談「戦後教育を検証し今日の教育課題と展望を語る」(全文)掲載


教育センター設立50周年祝賀会
100名で盛大に開催
設立理念「全面発達」「科学的認識」「集団主義」を今日に生かす!



 1960年の激動期にあって、京教組の呼びかけに応えて京都の大学研究者が賛同され、研究と運動を統一する「センター」として発足しました。その50周年を記念する祝賀会が12月25日の研究集会に引き続きルビノ堀川「平安の間」で歴代の関係者、近畿各地の研究所、各支部教組などの参加で盛大に開催されました。

 寒川さん(市教組書記長)のフォルンのオープニングに続き、小棚木優さん(市立芸大)によるチェロ演奏で幕開け。

 冒頭、野中代表はこの20年間に故人となられた細野武男氏、小林幸男氏、安永武人氏、奥田修三氏、室井修氏、大麻南氏らに黙祷を捧げ、設立時の労苦を披瀝されました。

 堀尾輝久さん(民研代表)、細野雄三さん(京都産大、武男氏ご子息)、藤本雅英さん(京教組委員長)から祝辞を受け、細野さんは「父は総長時代も『京都教育センター代表』の肩書きは離さず誇りにしていた。飲んで帰ってきても、センターでの面白い話を聞かせてくれました」と思い出を語られました。かつてセンター副代表であった鰺坂真さん(関西大学)の発声で乾杯に移り、懐かしい面々が懇談を深めました。

 その後、センター設立に尽力された山本正行さん(当時の教文部長)から資料を配付しての苦労話や、須田稔さん(第3代事務局長)、井口和起さん(元府立大学長)、望田幸男さん(非核の政府の会代表)、本田久美子さん(全教副委員長)らのスピーチがあり、会場からは春日井敏之氏(立命大、前「ひろば」編集長)、元全教・京教組役員の長谷川英俊氏・石川喩紀子氏や関谷美奈子氏(子どもを守る会)、吉田良子氏(京P懇)、武尾正信氏(宇治くりくま保育園長)、山上修氏(滋賀民研)、元事務局の横内廣夫氏(華頂学園)、山下和男氏(奥丹教文部長)、渡部太郎氏(向が丘養護)などからの一言をいただきました。時間の制約で多くの方々にお話していただけなかったことは申し訳ない限りでした。

 記念出版された『歴史たまてばこ』の早川幸生さんや「風雨強けれど 光輝く」の8人の執筆者のコメントのあと、歴代の京教組教文部長や現在のセンター事務局メンバーが紹介されました。

 北村茂さん(京退教事務局長)の指揮で「青い空は」「ふるさと」などを全員輪になって合唱し大いに盛り上がりました。

 最後に高垣忠一郎さん(立命館大)が事務局を代表して、これまでの多くの方々への感謝とこれからのセンター発展の決意を述べられ、「風雨強けれど ガンバルぞー」と力強いシュプレヒコールで締めくくられました。

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